ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
先日台中駅のすぐ近くにある文化部文化資產園區という場所へ散歩しに行ってきました。
今回はそこで見られる古い建築物を眺めた様子を紹介したいと思います。どうぞご覧ください。
目次
文化部文化資產園區とは?
文化部文化資產園區は、歴史的建築物や遺跡、遺物などを保存・修復する文化部文化資産局を擁する、文化・芸術パークです。臺中文化創意產業園區とも呼ばれています。
元々は日本統治時代に1916年に赤司初太郎氏によって設立された大正製酒株式会社があった場所で、1957年に台灣省菸酒公賣局台中酒廠となりました。
その後台中酒廠は台中の工業区に移転し、元の台中酒廠に残るいくつかの建築物が台中市政府により歴史的建造物として登録され、リノベーションを経て現在の文化部文化資產園區に生まれ変わりました。
文化部文化資產園區の現地の様子
では園内を見ていきましょう。
僕が訪れたのは平日で、しかも台湾のほとんどの施設で防疫対策が行われ気軽に色々な施設への出入りがしにくい状況だったこともあり、参観者は少なくかなり散歩しやすかったです。
文化部文化資產園區の敷地面積は5.6ヘクタールあり、1928年当時は台湾最大の醸酒工場でした。
正面から入り、すぐ右手側に見えてくるのは黃酒や花雕酒の完成品を置いておくための倉庫だった建物です。現在は企画展の展示や図書館になっています。
内部の様子です。高い壁に加えてトラス構造になっているので空間がより広く見えます。
この時は展示のため内部に太陽光が入ってこないよう遮られていますが、当時は側面に設置された窓から採光があり電気をつけなくても明るかったそうです。
こちらは米酒の貯酒庫だった建物。赤レンガに円形のエンブレムを設えたファサードが連結する出で立ちは、園内ではシンボリックな存在です。現在は雅堂館という名前でイベント等に活用されています。
雅堂館の建物同士を繋ぐ通路は小さめのアーチ型。
パイプと絡み合う建物がいい味出してます。
中庭と接する半屋外の廊下。
こちらも歳月を感じさせる躯体。内部はがらんどうでしたが今後何かの施設として活用されるのでしょうか。
ボイラー室のある赤い建物が見えます。上層階の半月窓がかわいい。
ボイラー室は半月窓ですが、この写真の奥に見えるように園内は頭頂部に丸窓を設置している建物の方が多いです。建物のアクセントにもなるので僕は丸窓が大好きです。
花が彫られたマンホール。桜や菊などの日本の花々が見えるので、当時からあるものなのかもしれないですね。
日本時代の建築物によく見られるダブルハング式の上げ下げ窓。木造の窓枠は後で塗り直されていることが多いですが、これは当時から今に至るまでそのままのような年季を感じますね。
コンクリートだけではなく木造の建物もあります。こちらでは元々タバコ(植物)の乾燥などを行っていたようです。
建物頭頂部からもう一段階突き出るような形状が印象的です。
日本建築の特徴が強く出ているこちらの建物は集会場や食堂として利用されていました。
工事中で建物の内側にある中庭など全てを見れなかったのが残念。また折を見て来たいですね。
当時敷地内にあった建物の瓦屋根を保存し展示している様子。
最後に
以上、文化部文化資產園區に保存されている古い建築物などの紹介でした。
台中駅からも歩いていける距離にありますし入場も無料なので、是非台中に残る古建築に興味がある方は参観してみてください。
施設情報
文化部文化資產園區(臺中文化創意產業園區)
台中市南區復興路三段362號地図(Googleマップ)で見る
営業時間/06:00〜22:00 ※展示場は09:00〜17:00
定休日/なし
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。