ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
先日とある台湾人と台湾にある個人経営の飲食店名の話になり「こういう感じの名前が多いよね〜。」と盛り上がりました。
そこで出た話は実際に台湾で生活する僕の感覚としては確かに納得できるものでしたが数値的にはどうなのかが気になったので、台北市にある自宅周辺を歩き回り、個人経営の飲食店の店名100軒分を収集して調べてみることにしました。
すると台湾の個人経営の飲食店名の傾向が少し見えてきたので、今回はその分析結果を紹介したいと思います。それではご覧ください。
目次
台湾の飲食店に多い名前の仮説
台湾の飲食店名の話をした台湾人によると、台湾人にとって店名を付ける際に大事なのは「分かりやすさ」と「覚えやすさ」。
すると台湾の飲食店名は大体以下3パターンに分かれるという話でした。
- 地名(お店がある通りの名前や番地等)+お店の看板メニュー名
- 阿○+お店の看板メニュー名
- ○記+お店の看板メニュー名
基本はそのお店の看板メニューがあり、そこに分かりやすく覚えやすい名前を加えた店名です。僕も上記のような店名の飲食店は非常に多いと思います。
この仮説が正しいのか検証するため、台北市にある自宅から徒歩でアクセスすることができる飲食店が軒を連ねる通りを歩き回って、飲食店の名前を100つ集めてみました。
100軒の店名をリストアップ
集めてきた100軒のお店の名前がこちらです。
これから似た法則を持つ店名を、自分が独断と偏見で考えたカテゴリーに振り分けていきます。
お店の選出にあたっては逐一検索をかけて個人経営か確認した上で収集したつもりですが、系列店だけどその名前ではまだ1店舗しかないとか、太いところから出資を受けている等の可能性はあるかもしれません。
多いカテゴリー順に発表
1位:from系(9軒)
1位は100軒中9軒だった『from系』です。そのお店の住所とは関係ない地名が付いている店名をfrom系としました。
台湾にある地名だけではなく、香港や中国の都市、ベトナムなどの地名を冠した飲食店もあります。
このカテゴリーに含まれるお店
通化街滷肉飯米粉湯、香港鴻圖燒臘、東石蚵仔小吃店、中原早餐店、河內美食館、南陽牛肉麵哨子麵、劉山東牛肉麺、源士林粥店、成都陽桃冰
2位タイ:○ちゃん系(7軒)
2位は100軒中7軒の『○ちゃん系』。
中国語は名前の前に「阿」や「小」を付けると、日本語で言う「○ちゃん」というニュアンスのニックネームになります。台湾では「阿」を使うことが多いですね。
店名になっている「阿○」が誰の名前かと言うと、台湾人の友人の話によればその飲食店のオーナーのあだ名であることが多いそうです。
このカテゴリーに含まれるお店
阿義豆漿、小麟素食、阿海自助餐、阿泉麵線、阿仁福州包、阿城鵝肉、阿草的店、阿萬鵝肉
2位タイ:住所依存系(7軒)
同じく2番目に多かったのが『住所依存系』です。こちらも仮説で出てきた、そのお店がある住所に関連した名前が付いた店名カテゴリーです。
通りの名前、番地、路地などを付けているパターンが多いです。
このカテゴリーに含まれるお店
伊通米苔目、66巷咖啡創意鮮魚料理、四平街番茄牛肉麵、一江紅麵線、21號鵝肉海鮮、北北車魯肉飯、錦洲美食
2位タイ:自画自賛系(7軒)
3つ目の2位は『自画自賛系』です。
店名で「おいしい」や「本当の味」や「素晴らしい味」など、味を自画自賛しているお店をここに振り分けました。
このカテゴリーに含まれるお店
佳味早餐吧、鮮美香台菜自助餐、正三味紅豆餅、佳佳豆漿、勁喝甲、珍好味早餐店、真味堂傳統意麵
5位:格式高そう系(6軒)
5位は100軒中6軒の『格式高そう系』。こちらは王や皇などの格式が高そうな字が店名に入っているカテゴリーです。
このカテゴリーに含まれるお店
大王麵線、鶏腿王盒餐、皇品牛肉麵、富覇王猪脚、山雞王、華王排骨特餐店
6位タイ:○記系(5軒)
6位は100軒中5軒の『○記系』。
「記」はレストランを象徴する名前のひとつで、麵館や飯堂と同じような意味を持っているそうです。このカテゴリーも「阿○」と似ていて、オーナーの名字+記が多い模様。
このカテゴリーに含まれるお店
陶記越南美味、好記擔仔麵、史記正宗牛肉麵、盧記上海菜館、老王記桃源街牛肉麵
6位タイ:熟女系(5軒)
最後の『熟女系』。阿嬤、阿嬤、媽媽などの中国語で成熟した女性を想起させる敬称が付いた名前をこちらの熟女系とさせて頂きました。
おじさん(大叔,叔叔)の文字を使ったお店もたまに見かけますが、女性の敬称を冠したお店の方が多いように感じます。
このカテゴリーに含まれるお店
2馬快炒、阿嬤魷魚羹、黎阿姨好粥道、阿嬤水餃、章媽媽餡餅
結果
カテゴリー別に分けた軒数からも判断できるように今回集めた100軒のサンプルですと、半分近くのお店はある一定の法則に従って名前を付けられているようです。
ただどのカテゴリーにも属さないと判断した店名のお店は半数を超えていたので、ほとんどが独創性のある店名を付けていることになります。
最後に
以上、台湾にある個人経営の飲食店名の傾向を個人的に調べてみた結果でした。
これはあくまで僕の住む地域のお店の話になるので、他の地域で調査してみるとまた結果が変わるかもしれません。
みなさんも台湾を歩く際は台湾の飲食店名に注目してみてください。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。