ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
さてさて毎年恒例の記事がやってまいりました。台湾で暮らして◯年経ったところの節目として考えたことをジャンルレスに色々書くお時間です。台湾で暮らして2年のときから書いているので今回で7回目。
こうしてそれなりに長く台湾で暮らしていると、当初より“台湾っぽい暮らし”から少し離れた生活にもなってくるので、ここ数年は本当にただの個人的な雑文になってきております。どうぞご覧ください。
目次
台湾観光が開放
台湾は2022年の10月から制限付きで国際観光が再開され、そして現在は制限もなくなり、日本へ戻るときもPCR検査による陰性証明書やワクチン接種証明書提示などの必要もありません。両国とも街を歩く際のマスク着用も不要です。
つまり新型コロナウイルスCOVID-19が流行する以前と同じように、パスポートさえあれば日本と台湾を自由に行き来できる状態です。いやいやここまで長かったですね。
自分はどちらかというと外国人の観光客がそこまで多くないエリアに住んでいるので、普段外国人旅行客を見かける機会は多くありませんが、街で観光客らしき外国人を見かけると、どう台湾を楽しんでいるのか気になってついその姿を追ってしまいます。
日本と台湾の生活
今回の台湾生活7年〜8年の間は、帰国が2回重なったのと、2回とも滞在期間を比較的長くとっていたため合計で半年くらい日本にいました。結果、台湾移住後で最も日本に滞在した期間が長くなりました。
当然期間が長くなると観光気分で過ごすだけでなく、時々仕事をしたりして生活もするわけです。そこで改めて思ったんですが、日本って良いところですよね…。今更か。もちろん生まれ育った場所だし補正もあるでしょう。
同時に、台湾へ戻ってまた同じように生活をはじめると、日本ほどの快適さや利便性、安全性を享受したり、誰もが高水準のサービスを受けられるようにするには、やっぱりこれくらい国民から税金を集めなければいけないのかな…なんてことも考えてしまいます。
台湾には日本のような住民税はありませんし、国民年金や社会保険料、その他税金も日本ほど高くありません。確定申告の基礎控除額も日本より高いです。ただ長期間暮らす前提で見た、快適さや安全性はどうでしょうか。
たくさん税金を払って清潔に保ち安全面にも気を配った街づくり、税金は少なめで済むけど街並みは効率を優先し安全面や美観はそこそこになる…。
決して「どちらが優れているか?」を言いたいわけではなく、2カ国で暮らした経験者として長期間生活する目線で見ると、各々長所短所はあれど、どちらもうまく運営されている方なんじゃないかと思っています。
それでも大多数の人にとっては、やはり海外で暮らすには現地に適応するのはもちろん、生活基盤を整える必要もあるので、自分の生まれた国で暮らすのが一番理想的な形に近いのだろうなと感じますね。
日本人にとっての台湾観光
台湾と日本の国際観光が再開されて以降、台湾メディアを見ていると「台湾人はこんなに日本へ行ってるのに、台湾に来ている日本人は以前ほどではない」みたいな記事を見かけることがあります。
統計を見てみると、2019年の訪台日本人が217万人だったのに対し、2023年の1月〜3月に台湾を訪れた日本人は13.6万人だったらしいので、このままのペースだと2019年の1/4くらいの数字に落ち着く可能性が高そうです。
実際、台北などのかつて日本人が多かった場所へ行ったときに日本人の姿を見かける機会が少なくなった気はしますし、台北に住む友人からもそういった声が聞こえてきます。
原因は色々なところで推測されていますが、物価が上がって日本円も弱くなり、台湾に限らず日本人が海外旅行を楽しむ余裕がなくなったのが大きいと思います。
今までは、台湾が多くの日本人から『近くて安くて気軽に行ける海外』を期待されていたからこそ、観光先として選ばれやすかったのは否定できないでしょう。
今後、日本経済の未来が明るいかと言われればそうでもないですし、台湾が台湾のことを少ししか知らない日本人にとってもお金をかけて訪れる価値のある魅力的な場所に見えないと、台湾が以前くらいの日本人観光客を呼び戻すのは難しいと思っています。
僕自身の台湾に対する個人的な心情を抜きにして台湾を客観的に見ると、タイやベトナム、韓国などの距離や渡航費用が台湾と近しく、独自の魅力やコンテンツが比較的明確な国と比べると、台湾が日本人の海外旅行先として優位性を持つのは課題が多そうです。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。