ども、最近台湾旅行では一般観光客があまり行かないようなマイナー都市をブラブラするのが何よりも楽しいナカジマチカ(@nakazimachica)です。
僕は今までに台北、台中、台南、高雄、台東、花蓮はもちろん観光開発があまり進んでいない台湾の地域も訪れてきました。ただそういった地域はやはり交通が不便なので色々な場所を巡ることができず、現地の魅力を目一杯楽しみにくいという側面があります。
今回訪れた「苗栗(ミャオリー)」に関しても例に漏れず交通が不便で、いずれは行ってみたいと思っていたものの、現地に着いても色々な場所を回るのは難しそうなのでどうしたもんか…と思っていました。
そんな時に台湾観光におけるバスツアーおよび貸切チャーターツアーを展開しているFinemakersさんから声をかけて頂き、ツアーという形で苗栗の公館鄉という地域へ遊びに行ってきました。
というわけで今回はその苗栗ツアーの様子や個人的な感想を紹介したいと思います。どうぞご覧ください。
目次
苗栗の町を見る
集合場所である台北のオークラホテルを発ち走ること約1時間半、苗栗の公館鄉に到着しました。比較的発展している都市にはない台湾の匂いがプンプンしますね。
ここ苗栗の公館鄉の特産物は紅ナツメで、収穫量も台湾で一番多いです。そのため辺りには紅ナツメの農園がたくさんあります。毎年7月中旬~8月中旬の収穫シーズンには紅ナツメの収穫体験もできます。
こちらは揆一樓という廟。武聖「関羽」と文聖「孔子」が祭られていて学問や商売繫盛や平安などのご利益があります。
この石像は「石母祠」と呼ばれる神様のひとつで、苗栗の人口の8割を占めると言われている客家人はこの神様に向かって自分の子供が健やかに育つようお祈りをする風習があるそうです。
下に見える水路は「洗衣亭」と言い、かつて地元の人が服などの衣類を洗濯するのに使用していた水路です。色の異なる少し出っ張った部分が洗濯板の役割を果たします。
「豆花・豆腐」作り体験
苗栗の雰囲気を軽く見て回った後は、穿龍老屋豆腐坊で豆花・豆腐作りを体験しました。
80年近い歴史のある民家を改築した味のある可愛い雰囲気の店内です。
先に豆花や豆腐に関する材料の話や調理の簡単なレクチャーを受けます。
レクチャーを聞いた感じ、豆花と豆腐とのつくり方は結構似ているようですね。
まずは豆花作りから。豆乳へにがりを入れて
ヘラを使って混ぜます。
後は電気鍋に数十分かけるだけ。豆花簡単すぎる!(実は僕たちが体験しやすいように、豆乳づくりなどの色々な細かい課程をお店側であらかじめ準備して頂いているだけ。笑)
豆花を待つ時間を利用して豆腐作りも同時進行していきます。豆花と同じようににがり(豆花に使用したにがりとは種類が異なる)を入れて混ぜます。
数分放置すると固まってくるので豆腐箱に移します。
上から徐々に圧力を加えていき、水を切ります。
豆腐できあがり〜(さくっと作っているように見えますが実は一度失敗しました)
電気鍋にかけていた豆花(写真左)も完成。
豆腐には醬油膏(日本の醤油より多少とろみと甘みがある調味料)をかけ、
豆花には苗栗公館鄉の特産物である紅ナツメのシロップかけていただきます。作りたて+現地で採れた新鮮な物を使った食べ物はなんでも美味しいですね。
店舗情報
穿龍老屋豆腐坊
苗栗縣公館鄉福基120號地図(Googleマップ)で見る
営業時間/07:00〜16:00
定休日/月曜日
昼食(客家料理)
さて豆乳製品でお腹をならした後は昼食の時間です。巧軒餐庁という円卓のあるレストランで客家料理をいただきます。
まずは僕の大好物の鶏肉。専用のネギダレをつけて食べてます。
ちょっと甘い味付けのチャーハン。
エビの煮付け。特産物である紅ナツメもしっかり添えられています。
こちらはタロイモ餅(芋頭糕)。見た目は台湾の朝ごはん屋の定番メニュー大根餅(蘿蔔糕)によく似ていますが、こちらは名前の通り材料にタロイモを使っていて大根餅と比べると歯ごたえとほのかな甘さがあります。僕が住む台北の朝ごはん屋でも売ってほしい。
多分初めて食べたツバメコノシロという魚。臭みや油っこさは全くなく、噛むと滲み出てくる味が最高。
他にも様々な客家料理をいただき満腹でございます。
店舗情報
巧軒餐庁
苗栗縣公館鄉石墻村11鄰223-1號地図(Googleマップ)で見る
営業時間/11:30〜14:00・17:00〜21:00
定休日/日曜日
「愛玉」作り体験
お腹がいっぱいになった後はデザートの時間ですね。ということで穿龍耕學園で「愛玉」を手作りして食べる体験をしました。
愛玉は台湾オリジナルスイーツのひとつで日本の寒天に少し似ています。そこへ甘いレモンシロップなどをかけて食べたり、ドリンクの中に入れて飲むのが台湾流です。
日本ではチェーン展開しているファミリーレストランのひとつバーミャンにて「オーギョーチ」という名前で提供されているので、愛玉の名前で分からなくても食べたことがある人はいると思います。
愛玉の元となる実は小ぶりなまだら模様のある土芒果(台湾にあるマンゴーの品種のひとつ)のような外見をしています。
ただ愛玉作りにはこの実ではなく中に詰まっている種が重要です。ちなみに愛玉の実には雄・雌があり、愛玉作りには雌の種を使います。
それでは愛玉作り開始。まずは愛玉の実の種が入った布袋をボウルの中に入れ水を注いでいきます。この時点ではここから一体どのようにあの固形物になるのか全く想像できません。
種が入った布袋を水の中で揉み揉みにぎにぎすると種の中に入っている成分と水が混ざり…
このように水の色が少し黄金色に変化し、状態もとろみが出てきます。
更に放置するととろみのある状態からゼリー状へと変化するのです。納豆などもそうですが最初にこれを食べてみようと思った人の勇気が本当にすばらしい。
レモンシロップをかけていただきます。
穿龍耕學園では愛玉作りだけではなく、他にもタロイモを収穫したり紅ナツメを採取したりジャムを作ったり等、季節に合った体験をすることができます。
施設情報
穿龍耕学園
苗栗縣公館鄉舊後汶公路地図(Googleマップ)で見る
公館鄉農會で紅ナツメなどを使った特産品をいただく
最後に公館鄉農會という苗栗公館鄉の農協にあたる場所を訪れました。
ちょうど公館鄉農會の總幹事の韓さん(要約するとめちゃめちゃ偉い人)がいらしていて、苗栗公館鄉で採れる物や作られた特産品を直接紹介して頂きました。
苗栗公館鄉の売りは今回の記事でも何度も登場していますがとにかく紅ナツメです。公館鄉農會の売り場に来れば分かりますが色々な食べ物や料理に活用されています。
さらに漢方薬の材料としても使われるので身体に良く、生理痛やアンチエイジングなどにも効果があるそうなので女性には特に嬉しい食べ物です。
こちらは紅ナツメと桑の実を使ったソフトクリーム。酸味・甘味をバランス良くまとった紅ナツメと濃厚な桑の実の絶妙なアイスが味わえるのは多分ここだけ。
紅ナツメをはじめとした特産物を使ったお酒。お言葉に甘えて結構な種類のお酒を試飲させて頂きました。紅ナツメのものも良かったのですが個人的には紫蘇のお酒が好みでしたね。
伺った話によると苗栗公館鄉は紫蘇の産地としても有名だったそうで、日本の食卓に並んだ紫蘇はここ台湾苗栗産のものが多かった時代もあったそうです。
ちなみに紅ナツメ以外にも特筆すべきはこのお米。かつて品質の高さを買われ昭和天皇に献上されたお米だとか。
個人的にはこういう意外なところで台湾と日本のエピソードを見つけたり現地の人から伺って、台湾と日本の関わりや歴史を辿るのもローカル旅の楽しみのひとつです。
施設情報
公館鄉農會
苗栗縣公館鄉大同路266號地図(Googleマップ)で見る
営業時間/月曜日〜金曜日 08:00〜17:00、土曜日・日曜日 09:00〜17:00
はじめて台湾国内旅行のツアーに参加して感じたこと
実は今回がはじめての台湾国内旅行のツアー参加だったんですが想像を遥かに超えて楽しかったです。
台湾は日本の感覚から見ると交通状況が激しく運転が荒い人も多いので、過去に台湾でタクシーやバスに乗って怖い思いをしたという日本人も少なからずいるでしょう。
ですが今回参加したツアーではそういった心配が一切なく、非常に丁寧な運転で移動時にストレスを感じることが全くありませんでした。
こちらは今回ドライバーを担当してくれた日本語も堪能なドライバーの施さん。参加した僕たちへ常に細かい心配りをしてくれて、安心して身を任せることができました。
僕は普段旅行をする時は、現地の便利かつ安い地元の交通機関を利用して色々なところ巡るのが好きなのですが、台湾において交通が不便な場所を観光する時はこのように台北発のツアーを利用して、台湾の地方ならではの体験が盛り込まれたフルコースを堪能してパッと帰ってくるのも有効な選択のひとつだと思います。
最後に
以上、参加した苗栗ツアーの様子や個人的な感想でした。
こうやって読むと一瞬に感じますが移動時間を含め約8時間のツアーとなっていて、実際に体験してみるとかなり盛りだくさんの内容です。
そして最後にこちらの記事をご覧になってくださった方限定で特典があります。
Finemakersの苗栗ツアー予約時にクーポンコード欄へnakazimachicaと入力して頂きツアーに参加すると、今回最後に立ち寄った公館鄉農會で販売されている昭和天皇も召し上がったお米をお一人様ひとつプレゼントいたします。
是非、台北などの都会では味わえない魅力を持つ苗栗旅行を楽しんで、台湾と日本の関係や歴史などを日本への土産話のひとつとして持ち帰ってみてください。
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ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。