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英語・日本語・韓国語。台湾で使用される外来語についての話

ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。

台湾社会で用いられる共通の言語は、台湾華語や中文、國語などと呼ばれている中国語で、僕も基本的にはその中国語(台湾華語)やほんの少しの台湾語を駆使して台湾で生活しています。

さて、日本は様々な言語を語源とする単語をカタカナなどを用いて日本語として取り込んでいるのはご存知かと思います。

そして実は台湾の中国語に関しても、ほぼ全て漢字に変換しているため外国人から見ると分かりづらいですが、意外と多くの外来語が生活の中で飛び交っています。

今日はその台湾における外来語について、どんなものがあるのか言語別に紹介していきたいと思います。それではご覧ください。

目次

英語

まずは英語の外来語から。何個かパターンがあるので順番に紹介していきます。

音訳パターン

本棚

ひとつは音訳パターン。音から決められる外来語は色々ありますが定番は英語の人名です。例えば台湾の道路の名前にもなっている「羅斯福(ルオスーフゥ) … ルーズベルト」等でしょうか。

多くの場合、日本語のカタカナ英語よりはそれっぽく聞こえる漢字が当てられるのですが、アメリカのトランプ元大統領が台湾では「川普(チュアンープゥ)」だった時はなるほどと思いました。

意味翻訳パターン

食べ物の「ピザ」が前項で紹介した音からきている外来語「比薩(ビィサァ)」ならば、「ホットドッグ」は中国語で「ホット」と「ドッグ」を分解してそれぞれの意味を中国語に翻訳した「熱狗(ラァゴウ)」です。

単語によって外来語の成り立ちになぜこのような違いが生まれるのか語学学校の先生に聞いてみたことがあるのですが、おそらくそういう専門家がいて適宜決めているんだろうとのことです。

ホットドッグ等の単語に関しては、音で中国語に当てはめようとすると「ホーターダー」みたいな発音になってしまうので、発音より意味の伝わりやすさを取った上での決定なんだろうということでした。

時々「得來速(ダァライス) … ドライブスルー」のような、音も意味も結構ハマっている素敵な単語もあります。

音訳+意味翻訳パターン

台湾のスターバックス

音訳+意味翻訳(または順序逆)という、上で紹介した2つを複合したパターンもあります。

例えば日本でもお馴染みコーヒーチェーン店「スターバックス」は、台湾では「星巴克(シンバーカー)」と呼ばれていて、starは意味を翻訳して「星(シン)」、bucksが音訳で「巴克(バーカー)」という構造になっています。

中国語はあるが英語のまま使用するのが一般的になっている単語もある

コンビニのポップ

うまく漢字を当てた外来語には例外もあります。

一例を紹介すると台湾の中国語を教える語学学校では(ファッションなどの)モデルは「模特兒(モォタェア〜)」、セブンイレブンは「七十一(チーシーイー)」と習いますが、台湾で生活しているとこれらの単語を耳にする機会はほぼありません。

代わりにモデルは「model」、セブンイレブンは「seven」と呼ばれていて、英語のままで使用する方が多いのです。

また比較的若い台湾人と会話をしていると気付くのは、その行為が台湾人の美意識にかなうのか外国人であるこちらに気を遣っているのかは分かりませんが、中国語での会話中に上記の単語以外の英単語をちょいちょい混ぜてくる人も少なくありません。

日本語

さてお次は日本の国語である日本語の話です。

台湾はかつて日本の一部だったこともあり土着言語として台湾で使われている『台湾語(臺灣閩南語)』の中には、発音が日本語と酷似している台湾語化した日本語由来の単語が存在しますが、今回は中国語の話なので省略します。

ご存知の通り中国語の漢字は古代中国発祥の表語文字であり、かつて日本を含む様々な国へ輸出されました。

日本がその漢字を取り入れた後、欧米諸国の単語を翻訳するなどして作った日本製の漢字単語(和製漢語)も存在し、更に今度は“中国”がそれらを日本から逆輸入して使用しているケースもあります。

台湾を学ぶ会

例えば、片倉佳史さん・真理さんご夫婦が主宰を務める第3回台湾を学ぶ会に僕が参加した際、ゲストの張文芳さん(「美しく正しい日本語を台湾に残す会」の代表)は中正紀念堂の蒋介石像の背後に書かれた「倫理」「民主」「科学」、この3つの政治理念は全て日本語(からきた)とおっしゃっていました。

このように台湾には日本との文化交流の末、いつの間にか生活に溶け込んでいる日本製の単語も多く存在します。この件については中華人民共和国の「普通话」にも同じことが言えるでしょう。

またもちろん現代でも日本から用語を逆輸入することは珍しくなく、例えば台湾のニュース番組やWebサイトを見ていると「素人」「達人」「超」など日本でもお馴染みの単語を見かける機会がありますが、これらも日本製で類似・相当する意味の中国語も存在します。

それにも関わらず日本で生まれ使われている漢字の単語を取り入れ、日本で使われている意味のまま使ったりするので、日本人から見るとなかなか興味深いです。

スナックの看板

あとは英語と同じように音訳パターンで日本語からの外来語もあります。

台湾で一番認知度が高く、台湾人に通じやすいのは「卡哇伊(カァワーイー)」でしょうか。言うまでもなく日本語の「可愛い」からきています。

英語にも「Kawaii」って言葉があるぐらいですからね。可愛いはすごい。

韓国語

台湾にあるチキン屋さんのPOP広告

最後に最近グイグイ勢いを伸ばしてきているのが韓国語からの外来語です。

例えば台湾のニュースサイトや個人ブログ・メディアなどを見ていると、ここ数年で「歐巴(オウバ)」「歐尼(オウニィ)」などの韓国語を語源とする外来語が使われることが一般的になった印象があります。

もちろん上記2つの単語の意味は「오빠(オッパ)」と「언니(オンニ)」です。今や日本人も多くの方がなんなとく意味を知っている単語ですね。

台湾において韓国カルチャーは、日本カルチャーと同様に台湾人の生活にどんどん浸透しているので、今後も韓国語からの外来語が増えていくことが予想されます。

最後に

台北市立美術館

以上、台湾で使用される外来語についての話でした。

もちろん台湾には今回紹介した3言語以外からの外来語も多数存在すると思いますが、今回は僕が台湾で生活していて特に気になる言語からの外来語について紹介してみました。

中国語を学びはじめた時は、人名などの外来語で書かれている部分が文法に絡む文字なのかそうでないのかすら分からず、中国語の文章を読むのに苦戦した思い出がありますが、それが判断できるようになった今は台湾にある外来語を興味深く観察しています。

ナカジマチカ

ナカジマチカ / nakazimachica

神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。

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