ども台湾で日々中国語を学んでいるナカジマチカ(@nakazimachica)です。
台湾社会で中国語が共通の言語として機能しているので、街の案内などに漢字が使用され、日本人観光客からするとなんとなく意味が分かって安心感があります。ですが中国語を学んでいくと日本語と中国語で意味が違う、使い方も異なる漢字が多く存在します。
有名な例を挙げると「湯」という漢字が正にそうで、日本語では「熱い水」ですが中国語だと「スープ」になり全く別の意味になります。
そこで今回は台湾で見られる漢字を日本語として捉え、大体の意味を推測できてしまう日本人から見た時、正しい意味が分かりにくいと思われる台湾の中国語案内を紹介してみたいと思います。それではご覧ください。
目次
01. 男裝/女裝
まずはレベル1の「男裝/女裝」。これは日本の百貨店等のフロア案内にも中国語圏の方々向けの中国語案内が併記されているので、なんとなくご存知の方も多いと思います。
中国語では男性服を「男裝」、女性服は「女裝」と言います。
ただ日本語の「男裝」「女裝」は、社会でジェンダーの多様化が常態として認識されていくとともに消える単語のひとつになるのではないかと僕は考えます。
02. 局部按摩
こちらも日本人が台湾で眉をひそめる案内としてはまだ序の口、マッサージ屋の店頭などで見かける「局部按摩」です。
「局部按摩」は日本語に訳すと「部分マッサージ」になります。
僕は台湾でマッサージ屋の利用経験がほとんどないので詳細は分かりませんが、台湾のマッサージ屋さんで局部按摩をお願いすると、マッサージしてもらいたい部位を一箇所指定して施術を受けることができるそうです。
日本語の局部にも「全体の内のある限られた部分」という意味はありますが、局部とマッサージが連結するとお店側が意図するサービスとは別のものに聞こえてしまうのはなぜでしょうか。
03. 禁帶外食
「禁帶外食」は少し高めのレストランやイートインスペースで見かけることが多い案内です。
何かを禁止していることは分かる案内ですが、日本人からするとレストランやイートインスペースで食事することも一種の「外食」ですよね。
それにも関わらず、これから“外食”しようとしている場所に「禁」と書かれているのですから少し混乱します。
実はこの案内における外食は「そのお店以外の場所で購入した飲食物」を指し、「禁帶外食」は意訳すると「飲食物の持ち込みはご遠慮ください。」という案内になります。
台湾の大衆レストランは飲食物の持ち込みに寛容ですが、上で紹介したように禁止するパターンと、飲食物を持ち込む場合の最低消費額を設けるパターンがあります。
04. 感謝您的配合
お次は「感謝您的配合」という案内です。
この「配合」をそのまま日本語の配合として考えて、“日本語風”に訳すと「ありがとう、あなたの配合を。」という少しイカれた文章ができあがります。
台湾版ねるねるねるねのパッケージにこう書かれていたら思わず納得してしまいそうな文章ですが、無論ここでの「配合」は混ぜ合わせたり組み合わせたりすることではありません。正解は「協力する」という意味です。
つまり、文法を整理して意訳すると「ご協力いただきありがとうございます。」と書かれています。
例えばフードコートや一部のレストランなどでは
- 「飲食物の持ち込みはご遠慮ください。」
- 「先に席を確保してから注文してください。」
- 「食べ終わったら食器を回収エリアに運んでください。」
などの利用客に対するお願いの最後に「感謝(謝謝)您的配合」や、ほぼ同じ意味である「謝謝合作」と書かれていることがあります。
05. 冷氣開放中
最後は小規模のレストランやお店の扉付近などによく書かれている「冷氣開放中」です。
中国語を学んだことがない方は「冷気開放中」という文言を見てどういう状態を想像しましたか?
僕は台湾で初めてこの案内を見た時「扉を開放してクーラーの冷気を外へ逃がしています!」 という謎の情景が思い浮かびました。
もちろん実際はそのようなサステナビリティが欠如したことをしているわけではなく、この案内はくだけた日本語に訳すと「エアコン効いてます。」という意味になります。
暑い日に入ろうと思ったお店にこう書かれていても、店内はしっかり冷気で満たされているので心配する必要はありません。
最後に
以上、日本人から見ると正しい意味が分かりにくいと思われる中国語案内の紹介でした。
僕は出来損ないのため中国語を学ぶ前はこのような頭の悪い勘違いをしていましたが、こうやって日本語の漢字と台湾の中国語の違いを学習していくのはとても楽しいです。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。