ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
僕は仕事とは別に趣味で台湾に関する作品をこしらえることがあるのですが、台湾らしさを考える上で台湾の街にあるデザインを観察するのも趣味のひとつです。
取りわけよく見ているのは台湾の街並みの雰囲気を形成していると言ってもいい店舗や事務所などの看板で、段々と自分の中に「こうすると台湾っぽい看板になるかも」が溜まってきたため、今回は僭越ながらそのうんちくを披露してみたいと思った次第です。
一応断っておくと本記事で紹介するのは、台湾風看板デザインではなくこうすると台湾っぽい看板になる気がするというひとりの台湾在住日本人の考えです。それを踏まえた上でご覧ください。ではどうぞ。
目次
はじめに、ベースとなるデザイン
僕が考える台湾っぽさを説明するために順を追ってデコレートしていきたいので、まずはベースのデザインを用意しました。
源ノ角ゴシックで打ち込んだ繁體字の素っ気ない適当な文言です。こちらを台湾っぽい看板になるように少しずつ手を加えていきます。
台湾っぽくしていく
1. フォントを変える
まずはデザインをする上で欠かせないフォントから変えます。フォントは種類によって見る人の印象を大きく左右するので非常に重要な要素です。
ここでは比較的新しいOSの入ったWindows・Macならインストールされている標楷體を選択してみました。
フォントを変えただけでも雰囲気が大分変化したのが分かるかと思います。ここから更に台湾っぽくなるよう詰めていきます。
2. 文字を円状に沿ってカーブさせる
次にサブで置いてある文言を円状に沿ってカーブさせてみます。
余談ですがこのカーブさせる文言を英語にすると、ほぼ同じ繁体字を用いている香港に若干寄る気がします。
3. 円形の中に文字を配置する
更に円を活用して、文字をその円形の中に入れてみます。
4. 横書きと縦書きを混在させる
次に横書きと縦書きを混在させます。
適当なコピーを追加してみました。
5. 極彩色を少し意識する
最後に極彩色を少しだけ意識して各エレメントに色を散りばめます。またこのデザインだと空間の寂しさが気になるので、背景にそれっぽい模様も施して完成です。(背景のそれっぽさは本記事では割愛)
台湾っぽくなった…!?
別パターン例
上記で紹介した方法を組み合わせて別パターンも作ってみます。
ゴシック体
台湾の看板と言えば明朝体や楷書体などの“ひげ”があるフォントを使ったものが頭に浮かぶかもしれませんが、ゴシック体のフォントを採用しているお店や事務所もかなり多いです。
ということで用意したゴシック体バージョンです。
フォントは台湾を代表するフォントメーカーJustfontが提供しているopen 粉圓を使用しました。個人的にゴシック体ならば角ゴシックよりこういった丸ゴシックの方がより台湾っぽく仕上がる気がします。
縦位置
もうひとつ用意したのは縦位置バージョン。
フォントは明朝体と丸ゴシックの組み合わせ、隙間を埋めるために台湾の看板あるある電話番号を追加しました。
最後に
以上、台湾に住む日本人が考える台湾っぽい看板デザインでした。
作例と言葉を交えて説明することで、ぼんやりと自分の中にある台湾の看板デザインを形にできた気がします。
台湾のデザインについては僕もまだ学んでいる最中ですが、別の切り口から紹介できそうなことがあればまた書こうと思っています。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。