1. 台北の旧鉄道工場が鉄道博物館として再生。「臺北機廠鐵道博物館園區」のガイドツアーに参加してきた

台北の旧鉄道工場が鉄道博物館として再生。「臺北機廠鐵道博物館園區」のガイドツアーに参加してきた

ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。

みなさんは台北101が目と鼻の先、松山文創園区も隣に位置する台北の一等地に、むかし実際に車両の整備や組み立てなどが行われていた旧鉄道工場があるのはご存知でしょうか?

最近、その旧台北鉄道工場(臺北機廠)で、当時実際に使用された車両や工場に勤めていた職員の道具、敷地内の建築物などを見て回ることができるガイド付きのツアーが行われていることを知り、参加してまいりました。

今回はその「臺北機廠鐵道博物館園區」ガイドツアーの様子をお届けしていきたいと思います。それではご覧ください。

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目次

「臺北機廠鐵道博物館園區」とは?

「臺北機廠」について

台北鉄道工場の総合事務所外観

まず「臺北機廠」についての説明からですが臺北機廠の歴史は清朝末期の1885年から始まりました。

当初は重要軍事基地「臺北機器局」として建設されましたが、1895年には台湾が日本の統治下に入り日本陸軍部隊の接収などを経て、鉄道部に移管され鉄道工場「臺北機廠」となります。

その後、台湾鉄道縦貫線全通により車両メンテナンス作業の需要が増え、現在の旧台北鉄道工場(臺北機廠)がある台北の松山区に移転します。

2012年には鉄道の現代化やデジタル変革、都市環境の変化に対応するため、臺北機廠は桃園市に新設された臺鐵富岡車輛基地へ持っていた機能を段階的に移転していきます。そして2015年には旧台北鉄道工場全域が国定古蹟として指定を受けました。

鉄道博物館として生まれ変わる「臺北機廠鐵道博物館園區」

台北鉄道工場内で行われている展示

国定古蹟となった現在の臺北機廠は、台湾の鉄道文化や台北鉄道工場の価値や歴史的意義について理解を深めることを目的とした、国家レベルの鉄道博物館「臺北機廠鐵道博物館園區」に生まれ変わるべく修復作業や整備を進めています。

そして2018年4月からは事前予約をすることで、毎週水・土曜に個人でも臺北機廠の内部をガイドツアーの形式で見学できるようになりました。

余談ですが、2013年に発表された台湾の有名ロックバンドMaydayとGLAYがコラボした曲『Dancin’ Dancin’』のミュージックビデオの撮影場所(一部)は今回紹介する臺北機廠です。

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアーの申し込み方法

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアー申し込みページ01

臺北機廠鐵道博物館園區の見学申し込みページにアクセスして「○月份預約導覽參觀」(○は自分がガイドツアーに参加したい月の数字)をクリックします。

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアー申し込みページ02

見学希望日時の「報名」をクリックします。

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアー申し込みページ03

「我已完全閱讀並同意以上內容」にチェックを入れて、「我同意」をクリックします。

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアー申し込みページ04

基本資料欄の「外國人」にチェックを入れ、上からパスポート番号(身分證字號)、氏名(姓名)、生年月日(出生年月日)、メールアドレス(電子信箱)、携帯電話番号(行動電話)を入力します。

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアー申し込みページ05

同ページ内で參觀人員資訊欄にある見学に同行する人全員の情報を入力します。一人で見学する場合は「第1位參加者」のところに、自分のパスポート番号(身分證字號)、氏名(姓名)、生年月日(出生年月日)を改めて入力してください。

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアー申し込みページ06

入力が終わったら最下部までスクロールし、「驗證碼」に表示されている数字を入力して「確定報名」をクリックします。

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアー申し込みページ07

すると見学に関する注意書きが表示されます。

大事なところのみ抽出すると「当日は参加申し込みをした日時10〜15分前に、パスポートを持って指定の場所(臺北市信義區市民大道5段50號)に集まりましょう。」と書かれています。

臺北機廠鐵道博物館園區のWebサイト

以上で臺北機廠鐵道博物館園區のガイドツアー申し込みは完了です。

「我的記錄」というメニューからログインすることで、見学申し込み内容の確認やキャンセルができます。

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアー当日の持ち物・集合場所・受付方法

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアー参加に必要な持ち物は、ツアー申し込みの際に記入した番号のパスポートです。見学費用はかかりません。

当日はガイドツアーを申し込んだ日時15分前になったら臺北機廠に集合します。台北MRTを利用してアクセスする場合は南京三民駅3番出口から出ると近いです。

台北鉄道工場の門前

臺北機廠の入口はこんな感じ。門の前に立っている警備員さんに「參加導覽(ツァンジァーダァオラン)」と伝え中へ入ります。

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアー受付

入ってすぐの右手側にある受付で身分証明書(パスポート)を提出し、ガイドさんによるリアルタイム音声ガイドを聞くためのレシーバーとイヤフォンを受け取ります。

ガイドツアー用ヘルメット

敷地内は現在修復中であり瓦礫なども落ちてくる危険性があるため、ヘルメットも貸し出されます。

パンフレット(日本語版)

パンフレットも配布されます。日本人には日本語版パンフレットを用意してくれます(ただしツアーのガイドさんによる音声説明は中国語)。

ヘルメット貸出の様子

身分証明書はこちらの受付で預け、ガイドツアーが終わった後、借りた上記3点を返却する時に返してもらいます。

臺北機廠鐵道博物館園區の様子

説明をするガイドさん

時間になると受付をした場所に集められ、管理会社の方およびガイドさんからガイドツアーの説明がはじまります。

かつて工員の出退勤を記録するために使われていた場所

ちなみに今回のガイドツアーの受付に使用されている建物は、かつて工員の方々が出退勤の記録に使っていた場所だそうです。

鉄道のレールを再利用した柱

よく見ると建物の柱に鉄道のレールを再利用しています。

台北鉄道工場のマップ

さてはじまり。ガイドツアーは受付をした場所を出発点に總辦公室(総合事務所)に向かって敷地内を反時計回りで見ていきます。

工場内移動車両

こちらは昔使用されていた巡軌車(工場内移動車両)。当時からそうだったのかは不明でしたが黄色の車体が可愛いです。

通路を開放するガイドツアーの誘導員

説明をメインで行うガイドさんに加え、誘導員が2,3人ついて一緒に回ります。原則として参加者はガイドさんの側について一緒に回るので、進みすぎたり遅れていると誘導員の方々に怒られます。

台北鉄道工場敷地内にある植物

意外と緑が多い敷地内。豊富なグリーンがある環境は日々機械と向き合う工員たちの心を癒やしてくれたでしょう。

台北鉄道工場総合事務所の廊下

アール・デコ調の美しいアーチ型廊下を擁する総合事務所の建物。

総合事務所は日本陸軍部隊が臺北機廠を接収した後に建てられたものですが、当時この建物1階部分の通路は設計予定になかったそうです。ですが雨の多い台湾でも快適に過ごせるようにするため台湾側から要請して設けたものだそうです。

台北鉄道工場総合事務所内部の様子

中の様子をちらっと。まだ片付いていないところも多いみたいですね。

手洗い場

総合事務所内の多くの部屋では、ぽつんと設けられた手洗い場を見かけます。これは当時の日本人が衛生管理を徹底するため各部屋に設けたからだそうです。

ダブルハング窓

当時の日本が台湾に建てた建築物によく見られる、上下にスライドさせて開閉するダブルハング窓。嘉義旧監獄を見学したときにも全く同じタイプの窓がありました。

台湾鉄道ロゴの石碑

総合事務所のエントランスアプローチ脇に建てられた台鉄ロゴの石碑。

修復中の建物

総合事務所を出て再び屋外へ。畳むのか修復するのかどっちつかずになっている廃れた建物があります。

ディーゼル機関車工場内部

お次はディーゼル機関車工場。

ディーゼル機関車工場内部の階段

見た目でなんとなく伝わるかもしれませんがディーゼル機関車工場は特に油っぽいので、ガイドツアーに参加する時は汚れても良い運動靴などを履いていくのが良いです。

台北鉄道工場の組立工場

さてこちらは第二次大戦中には空爆を受けたこともある(修復済)車両の整備点検における解体検査や組立作業が行われた組立工場。

台北鉄道工場の組立工場に並んだディーゼルカー

大きい窓から陽光を取りこむ開放的な空間。

台北鉄道工場の組立工場にある583系寝台電車とEMU100型電車

先頭にあった青いディーゼルカーだけでなく代用荷物車や、イギリスから輸入したEMU100型電車、日本から寄贈された583系寝台列車などもこの組立工場に安置されています。

台北鉄道工場の組立工場の物置

当時使用されていた物置でしょうね。

タイムカードの打刻機置き場

時間制限が妙に厳しいタイムカードの打刻機置き場。

原動機室と煙突

こちらは原動機室とそこから伸びる煙突です。

手動の分岐器

人生で一度はやってみたい、崖に向かって走る乗客をたくさん乗せた列車をギリギリのところで救うアクション。

鍛冶工場外観

続いて鍛冶工場へ。

鍛冶工場内部

重厚感のあるマシンがひしめき合う空間です。鍛造部品の製造や加熱作業、バネの製造およびテストなどがここで行われていました。

1889年にイギリスから輸入されたスチームハンマー

この年季の入ったスチームハンマーは1889年にイギリスから輸入されたもので、台湾産業発展の鍵となった存在なんだとか。

EMU100型電車

お次は客車工場。ここでもEMU100型電車が並びます。

台北鉄道工場の客車工場内部

客車工場の中へ入っていきます。

列車の側面

車体に書かれた数字の後に「T」と書いてあるのはトイレ付き客車。

成績優秀者に贈られるもの?

説明を聞きそびれてしまったのですが、奥に見える紅・金・銀の布は成績優秀者に与えられるものでしょうか。紅が第1位(第一名)・金が第2位(第二名)・銀が第3位(第三名)になっている点に注目です。

工員の作業記録用ボード

工員の作業記録用ボード。

台北鉄道工場の客車工場の通路

よく考えたらこの規模の工場見学は小学生の頃の社会科見学以来ですね。

台北鉄道工場の客車工場を写真に収める人々

僕は台湾の歴史には興味がありますが鉄道に関してはにわかです。好きな人には感じる何かがあるんだろうなぁ。

社員大浴場の脱衣室

ガイドツアー最後にやってくるのがこちらの社員大浴場。台湾総督府鉄道部の速水和彦という日本人の方によって設計されました。

社員大浴場の手洗い場

脱衣室の中央にある手洗い場です。まるで幼児用のように背が低い手洗い場ですよね。これは工員が作業で汚れた手で直接蛇口を触って蛇口を汚さないよう、肘で水を出せるように配慮してあるからだそうです。

確かに蛇口をひねるタイプではなく、つまみを肘でチョンと回すだけで水が出るような形状になっています。

社員大浴場の浴室エリア

浴場エリア。シャワー設備などはなく工員の方々は2つの湯船に溜まったお湯を桶ですくって仕事の汗を洗い流していたそうです。

臺北機廠鐵道博物館園區ガイドツアーに参加している人々

風呂で締めてガイドツアー全行程が終了。時間にして大体2時間強でした。ガイドさんも参加者のみなさんもお疲れ様です。

寒空の下2時間立ちっぱなしだったので疲労もそこそこ溜まり、最後に大浴場を見たので温泉へ行きたくなりました。

最後に

台北鉄道工場の組立工場の天井とディーゼルカー

以上、「臺北機廠鐵道博物館園區」ガイドツアーに関する紹介でした。

現時点(2019年1月)では今回参加したガイドツアーは中国語ガイドのみしか行っておりませんが、現場にいたスタッフによると2019年7月からは日本人向けに日本語のガイドサービスもはじまるようです。

今後修復作業が進み、今回のガイドツアー参加時より更に色々な施設を見学できるようになる可能性もあります。台湾鉄道の歴史や文化に興味がある方は是非ご予約の上、参加してみてください。

施設情報

臺北機廠

台北市信義區市民大道五段50號地図(Googleマップ)で見る

https://trw.moc.gov.tw/

ナカジマチカ

ナカジマチカ / nakazimachica

1985年生まれ。神奈川県横浜市出身。東京で会社員として約7年間働いた後、台湾で1年間の中国語留学、更に1年間のワーホリを経て日本社会から足を大きく踏み外しました。現在は台北を拠点にフリーランスとして生活しています。

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ナカジマチカ

ナカジマチカ / nakazimachica

1985年生まれ。神奈川県横浜市出身。東京で会社員として約7年間働いた後、台湾で1年間の中国語留学、更に1年間のワーホリを経て日本社会から足を大きく踏み外しました。現在は台北を拠点にフリーランスとして生活しています。

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