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台湾在住・日本人の僕が中国(広州)に初めて訪れた時の第一印象を写真とともに振り返ってみる

ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。

日本人が台湾そして中国と聞くと、台湾は親日だから好きだけど中国はなんとなく嫌な感じがするみたいな国家で括った考え方をする人が少なくないも事実でしょう。

僕がもし小学校の同窓会に参加して、地元大好き仲間最高みたいなキャッチフレーズを胸に熱く抱く同級生たちと会って「中国へ行ってきた」という話をしたとしたら、中国の負の面の話を期待する皆の顔は容易に想像できます。

そんな僕も以前は例外ではなく、日本で得られる日本語の情報だけを目にしていた頃、きっと少なからずそういった考えを持っていたはずです。

けど今はこうして日本から台湾へやってきて生活し、色々な国を訪れ、その中で様々な国出身の人と接してきて、物事を日本の中からしか見ていなかったあの頃の状況から少しずつ変化を重ねてきました。

そして台湾で生活していると、やはり台湾の歴史の上では中国(大陸)との関係は切っても切り離せないことを理解します。そして自然と興味が湧いてきます。「中国って実際は一体どんな所なんだろう?」と。

今回はそんな僕が中国(広州)を初めて訪れてみて思った第一印象を何項目かに分けて紹介していきます。日本で育ち現在は台湾で暮らしているため、この2カ国と比較した時の感想を所々に挟んでいきますが興味のある方はご覧ください。

中国(広州)を初めて訪れて抱いた印象8つ

  1. 街のつくりや雰囲気
  2. 中国で使われるフォントやグラフィックの話
  3. みんな大好き中国のパクリ事案とか
  4. 治安
  5. 交通
  6. インターネット環境
  7. 電子化の普及

01.街のつくりや雰囲気

中国の昔の様子を再現したもの

上の写真は「陳氏書院」という場所で見た、昔の中国の様子を再現したものですが、流石に僕達の世代はともかく、もしかしたら僕の祖父・祖母世代は中国に対していまだにこんなイメージを頂いているかもしれません。ここでは現代の街のつくりや雰囲気などを紹介していきます。

広州のビル群

ここは広州タワーが見える「花城大道」という駅周辺の広州のほぼ中心地的な場所です。ご覧の通り街の景観は非常に都会的。自分の中のステレオタイプな中国が崩れていきます。

広州のビル群02

街並みを見て思うのは建物や道のスケールがとにかく大きいです。同じ東アジア内で日本人の海外移住先として検討されやすいのは台湾や香港あたりだと思いますが、この2カ国は人や物の密度などの関係で人が多い環境に慣れない人は息が詰まることが往々にしてあります。

広州の街並み

現に僕は香港のムワッとした雰囲気が苦手なのですが、そういった点ではこの中国の大きな土地を活かした広々とした街づくりや開放的な雰囲気は素晴らしいです。空気も想像していたより淀んでいません。

ゴミ箱

道は見た目だけではなく本当に綺麗だと思いました。というのも台湾では白い靴を履けば歩いているだけで黒ずんでいくんですが、広州の満員電車で白い靴を履いて踏まれた時、靴が黒くなりませんでした。

广场

また街中には「广场」と呼ばれる、日本でいう「丸井」や「西武」のような百貨店やショッピングモールにあたる大きなビルが沢山あります。

广场のトイレ

基本的に広州の地下鉄の駅構内にトイレはないのですが、この街に沢山ある广场には清潔で綺麗なトイレがあるので、もよおした際はこの广场を探すのが良いでしょう。

バス乗り場

一方で、少し郊外に出れば僕達世代の中国のイメージ、ストリートファイター2の春麗ステージのような昔ながらの雰囲気を感じられる街の姿もあります。

外で食べ物や売り物の下ごしらえをする様子

外で食べ物や売り物の下ごしらえをする様子はいかにも中国っぽいですよね。

屋外に置かれた卓球台

さすが国技の国。空き地にポンと置かれた卓球台が町中の何でもない風景に馴染む。

02.中国で使われるフォントやグラフィックの話

ゴシック体のお店の看板

これは僕の職業病みたいなものなのですが、街に出ると看板や広告、ポスター、商品のパッケージなどあらゆるグラフィックを観察する癖があります。ここ中国(広州)で感じたのは使われているフォントはゴシック体が多いということです。

台湾の街並み

上の写真は台湾の街並みです。台湾ではこのように明朝体や隷書体などの歴史を感じさせるフォントを採用した看板や広告の方が多いです。例えゴシックを使ったとしても総務部のおじいちゃん部長がパワポで打ったような残念な文字組が多いんです。

ギャラリーに置いてあった書籍

文字の太さにもよりますがゴシック体は明朝体と比較すると現代的な印象を与えます。このゴシック体で構成されたグラフィックを街のあちらこちらで見かけるため、広州は台湾と比べ先進性を感じさせます。

中国の中国語のロゴの代表的なイメージ

モリサワのフォーク系のフォントを使って斜めにして一部分をさらっと伸ばすと中国の中国語ロゴ風になる法則?

03.みんな大好き中国のパクリ事案とか

お次は、とりあえず触れておかなくてはということで中国のパクリについて。

メイソウ

説明不要の超有名店メイソウです。店内放送では日本品質であることを繰り返し強調していましたが、もうそれが必要ないくらい既にオリジナルブランドとして確立していると言えます。

ゆうやと

更にそのメイソウをパクった「ゆうやと」。

好東西

更に派生系。

New bunren

ニューブンレン…?

台湾のCoCo

とまぁこんな感じでパクリ物を見かけるっちゃ見かけます。ですが正直言って自分の観測範囲だけではこれぐらいで、全体的として見れば「中国やらかしてるな…」っていう雰囲気はほとんどありません。

マンゴードリンク専門店

正直な感想としては韓国・台湾の物をパクったお店に比べれば、日本(系)及び日本のものを扱うお店は無きに等しい状態だと思いました。次いでタイやベトナムなどの東南アジア系のお店に習ったお店が多いのは台湾と似てますね。

04.治安

交番

治安に関しては正直言って悪い雰囲気はほとんどありません。広州へ着いて最初に思ったのは「お巡りさんがたくさんいる。」です。街のいたるところに警察がいて見張ってますので、悪いことが出来ない雰囲気が形成されています。

地下鉄入口で行われる荷物検査

これは地下鉄の各出入口で入ってくる客に対して荷物検査を行っている様子です。全ての駅・全ての出入り口に対して警備員さんが立っていて、彼らは地下鉄に乗ろうとする我々に対し危険物センサーの棒を使って身体や荷物を調べています。お疲れ様です。

X線検査機

またこの写真は図書館の入口なのですが、公共施設に入場する場合は必ず自分の手荷物を空港の保管検査場にあるようなX線検査機に通す必要があります。

空港入口にある地下鉄改札は厳戒態勢

多くの人が出入りをする空港に関しては特に厳重です。これは帰りの飛行機に乗ろうと飛行場に向かう際に体験したのですが、地下鉄の改札から出るとすぐ整列させられて荷物検査を受けます。

05.交通

広州地下鉄のホーム

さてお次は交通面を紹介していきます。公共の交通機関はバスや地下鉄が発達していて運賃も安く非常に便利です。このあたりは台北と大体一緒です。

人と車が自由に行き交う道路

さて問題の道路の様子なんですが、噂に聞いていた通り彼らにとっては信号機どころか横断歩道までもが目安に過ぎないようです。人は車道が何車線あろうが好きなタイミングで車の間を縫って車道を横断していきます。車も慣れてるのか某弾幕シューティングゲームを彷彿とさせます。(やったことないけど)

車のクラクションが鳴り響く道路

当然車のクラクションは鳴り響きっぱなし。音に敏感な方は中国に滞在する際大きな道路沿いの宿泊施設は避けましょう。

バイクが禁止されている道路

ちなみに中国では広州を含めた大きな都市の道路上をガソリンで動くスクーターなどのバイクが走ることは禁止されていて、車以外の乗り物では電動自転車が活躍しています。

電動自転車に乗るおじさん

じゃあ大量のバイクが走り回る台湾より交通状況は良いんじゃない?って思うかもしれませんが、この電動自転車のライダー達がなかなか曲者で、車とは違うという自意識があるのか道路交通法で認められているのか分かりませんが、基本的に信号は守りません。

それどころか青になっている横断歩道を渡ろうとしている歩行者をクラクションで威嚇して突っ込んでくる始末。笑

06.人

人で溢れる広州の老街

さすが地球の人口の20%を占める国。そして中国の中でも上海・北京に次ぐ中心都市第3位の広州。平日・休日問わずどこへ行っても人口密度は常に高いです。

夜の公園

こちらは平日の夜の公園の様子ですが、一瞬「アレ?中国でもポケモンGOリリースされたの?」と思うくらい、特別な日でもないのに人が集まっています。

教会で自撮りをする女性2人組

また、僕は海外へ行くとついつい道行く人達を観察してしまうんですが、脇目もふらず自撮りをする女の子達や街中でベッタリのカップルという台湾ですっかりお馴染みの光景は少なかったですね。身なりも台湾に比べると全体的にしっかりとした格好の人が多いです。

お店が並ぶ通り

そういえば中国人は道端に痰を吐く人が多いという件に関して。昔からの日本のテレビによる刷り込みだったり、同じ中国人の友人からもそれとなく聞いておりましたが、実際のところは全く見かけませんでした。たまに中年男性がゴミ箱に吐いてるのは目撃しましたが。

広州地下鉄の駅構内

次に体質的な話ですが、久々に電車に乗り込んだ時に感じる汗臭さとオヤジ臭さみたいなのを味わいました。これは久々に日本に帰国して電車に乗り込んだ時のあの感じと似てます。台湾は学生は結構汗臭い子が多いけど体臭のキツイおじさんってそこまで多くない気がします。

エスカレーターに2列で並ぶ様子

ホームから電車に乗りこむ時は下車する人に譲るという姿勢を全く見せないのですが、打って変わって混雑時のエスカレーター利用マナーはとても良かったです。左右どちらかを開けておくスタイルではなく、本来のエスカレーターの使用方法に則って2列に並んでジッと乗っている様子が興味深かったです。

個人的にエスカレーター左右どちらかを空けておく暗黙のルールはあまり好きではありません。効率悪いですしね。急いでいるなら階段をダッシュで駆け上がるか、皆と同じフィールド自体に来ないで車を利用すれば良いのでは?と思っています。

07.インターネット環境

広州白雲国際空港

さてお次はインターネット環境のお話ですが、今回は広州旅行ということで広州白雲国際空港に到着した直後に空港でプリペイドSIMカードを購入してインターネットをしてみました。

噂通り中国ではFacebookやTwitterやGoogleマップなどの旅行でよく使う系のアプリはVPNというものを通さないと使えません。ちなみにLINE・Instagramに関してはVPNを通してもほとんど使えませんでした。

広州地下鉄のホーム02

インターネットの速度は基本的に日本や台湾と比べると遅かったです。地下鉄に乗っている時はほとんど繋がりません。日本も少し前の東京メトロはこんな感じだったかな。

駅前の市場

僕個人としてはここ広州は日本人が生活する環境としては悪くないと思います。ですが僕のようなフリーランスが中国で日本に住む日本人を相手にPCやネットを使って仕事をするとしたら、このインターネット環境はネックになるなと感じました。

08.電子化の普及

電子決済の案内

インターネット環境は外国人からすると残念な感じですが、今回一番驚いたことはお店に行くとかなりの確率で子付宝や微信支付などを用いた電子決済を求められるという事です。

そういえば最近は台湾の街中でも外国人が多く訪れそうなお店では中国の電子決済システムの案内をよく見かけるようになりました。

外国人レーン

僕のような外国人旅行客はお店でクレジットカードが使えないならじゃあ現金でってなるわけですが、12人民元とかの代金を支払う時、大体お店に現金のお釣りが無くて1元を求められる場面が多くて少し困りました。中国では現金使用非推奨の方に動いている雰囲気をひしひしと感じます。

タブレットで入店待ちを管理

また行列が出来るようなお店の入店待ちの際は店頭にあるリストに手書きで名前を記入するのではなく、自分でタブレットに電話番号と人数を打って、整理券を発行する仕組みになっています。

電子ボード

店頭に設置された大型ディスプレイで今どこまで列(番号)が進んでいるかを確認できます。順番が回ってきた時その場にいなくても先ほど入力した電話番号に連絡をくれるアシスト付きです。これはとても効率的。というか「なんでコレ、日本でもやらないの?」って感じ。

スマホ上で注文

更には待っている間にそのお店のメニューをスマホ上でチェックしてそのまま注文可能になっています。支払いは当然電子決済システムが使えます。店内に入り席に座って決済が済むと先ほどスマホで注文した料理が運ばれてくるという鮮やかな仕組み。

自動で蓋が開くトイレのゴミ箱

いきなり話が変わりまして、こちらはとあるショッピングモールのお手洗いの個室なんですが、使用済みトイレットペーパーを入れるためのゴミ箱もなぜか電子化されていて蓋が自動で開きます。意味はさておき色々なシーンで電子化の普及を感じました。

最後に

WeChatのスタンプの人気キャラクター

以上が僕が初めて中国(広州)を訪れて感じたことです。

またインターネットでよく見る「日本人は日本をいまだに過信しているが、日本は世界の発展からとっくに取り残されている。」といった意見についての意味も、実際に自分の目で確認することで何となく肌で感じることが出来ました。

ただ母国に対して後ろ向きな事ばかりを述べても仕方ないので、中国(広州)に対しての感想に戻ります。

今回の中国訪問の感想をもし一言でまとめるとしたら「想像以上の体験が沢山あり、とても楽しかった。」が純粋な気持ちです。いつか北京や上海などの別の中国も見てみたいと思いました。

もの凄い勢いで変わっていっている場所だと思いますので、きっと色々な面で別世界が広がっているでしょう。次の中国訪問がとても楽しみです。

ナカジマチカ

ナカジマチカ / nakazimachica

神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。

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