ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
先日、持っていると台湾生活や台湾国内旅行が更に便利になる『普通重型機車』という種類のバイク(排気量50cc〜250cc)の運転免許を取りに行ってきました。
結果としては日本と比べて台湾のバイクの運転免許を取得するハードルは高くなく、かなりスムーズに免許証を取得することができました。
今回は実際に台湾でバイクの運転免許試験を受けた時の様子をもとに、台湾のバイクの運転免許証取得に必要なものや試験の受け方などを紹介したいと思います。それではご覧ください。
目次
バイクの運転免許取得に必要なもの
- 機車駕駛執照登記書(身体検査の結果が記入されたもの / 1年以内)
- 台湾の居留証(有効期限6ヶ月以上)
- 証明写真x1枚(約2.5cm x 約3.0cm(1吋) / 2年以内)
- 試験代 250元
- (実技試験用のバイクを借りる場合)燃料代 30元前後
- 免許証交付手数料 200元
台湾の運転免許の試験について
台湾で運転免許試験が受けられる場所
台湾の運転免許の試験は一部の『監理所(站)』という機関で行われていて「地名 機車 考照」と検索するとその地域でバイクの運転免許試験を実施している監理所(站)を調べることができます。
台北に住んでいる場合、最寄りの運転免許試験会場は士林監理站、板橋監理站、蘆洲監理站などになるかと思います。
僕は士林監理站でバイクの運転免許試験を受けたので、以下の説明は士林監理站で試験を受ける場合を例にして行っていきます。
士林監理站へのアクセス方法
士林監理站への行き方は色々ありますが、自分が最短だと思っているMRTとバスを利用したアクセス方法を紹介します。
ただ一本で士林監理站まで行けるバスが通る場所に住んでいる場合もあると思うので事前にご確認ください。
まずは台北MRT劍潭駅へ行き、臺北表演藝術中心の向かいにある駅の出口を出てすぐのバス停捷運劍潭站(基河)から41路線、または529路線のバスに乗ります。
終点のバス停「兒童新樂園」で下車します。MRT劍潭駅からここまでの乗車時間は約10分です。
バス停から5分ほど歩くと士林監理站に到着します。
施設情報
士林監理站
台北市士林區承德路五段80號地図(Googleマップ)で見る
営業時間/08:30〜17:30
定休日/土曜日・日曜日
士林監理站の筆記・実技試験申し込み可能日時
曜日 | 時間帯 |
---|---|
月〜金 | 09:00〜12:00・13:30~16:30 |
台湾のバイク運転免許証取得までの流れ
次に僕が台湾でバイクの運転免許証を取得するまでに踏んだ手順を紹介していきます。
台北市區監理所にもバイク免許取得までの流れが掲載されているので事前にご確認ください。
1. 病院で身体検査
運転免許の試験を受けに行く前に、所定の病院で運転免許用の身体検査に合格し、機車駕駛執照登記書に病院の印鑑を貰います。
2. 実技試験の事前申し込み
監理服務網の試験申し込みページから、受験する免許の種類(報考照類)、受験したい日(預計考試日期)、受験場所(考試地點)を選択して「查詢場次」をクリックすると、受験可能日時が表示されるので、希望する時間を選んで申し込みをします。
申し込み方法が少し特殊で、危険予測のオンラインテストを受けてから「繼續預約報名」というボタンをクリックすると試験の申し込みができるようになっています。
士林監理站の実技試験は1回につき先着60名となっています。空きがある場合のみ現地での試験申し込みも受け付けていますが、参加枠が既に埋まっている日は現地に行っても試験を受けることができないので、原則として事前申し込みになっています。
3. 安全講習の受講
バイクの運転免許を初めて取得する場合は、初回安全講習を受ける必要があります。
身体検査と実技試験の事前申し込みが済んでいれば、安全講習が実施される時間に合わせ、実技試験の事前申し込みをした監理站に行き、安全講習を受けましょう。
士林監理站では3階で行われ、時間帯は下記の通りです。
グループ1 | グループ2 |
---|---|
09:00〜11:00 | 10:00〜12:00 |
開始約20分前になると教室が開くので、入口にいる方へ機車駕駛執照登記書と居留証を提出し、サインをしたら、指定された席に着席します。
安全講習の内容は動画と講義による交通ルールやマナーの確認、危険予測などです。
ちなみに安全講習中にお手洗いや水分補給以外の理由で退席すると、安全講習を受けたことが無効になってしまうので気をつけましょう。
安全講習が終わったら入室時に受け取った席の番号札を返却し、居留証を返してもらってから教室を出ます。
安全講習を受講する際に渡された、席の番号札裏にはQRコードがあり、読み取ると受講者専用のアンケートページに飛ぶのですが、これは一応受講者は答える必要のあるアンケートとなっています。
ただ、周りを見たところ答えている様子の人もおらず、教室を出る時に回答したことを証明する必要もなかったので、余裕のある人は待ち時間などを利用して答えてみましょう。
4. 筆記・実技試験申し込み
安全講習が終わったら、1階左奥に「筆路考報名處」と書かれた場所があるので、ここで筆記・実技試験の申し込みを行います。
まず入口で整理券を取り、番号が呼ばれたらカウンターへ機車駕駛執照登記書、居留証、写真1枚を提出します。
筆記試験は一部の外国語に対応していて、日本語か中国語で受けるかを選択できます。日本語で受けたい人は日本語での試験を希望しましょう。
また実技試験用にバイクを借りるかどうかもここで聞かれるので、自前で用意していない人は借りる旨を伝えます。
最後に試験代 250元とバイクの燃料代 28元(実技試験用にバイクを借りる場合のみ)を払います。
居留証と一緒にまとめられ、印鑑を押してもらった機車駕駛執照登記書を受け取り、筆記または実技試験会場へ向かいます。
5. 筆記試験
実は自分がバイク免許の試験を受けた当時は車の免許を持っていると筆記試験が免除されていて、僕は車の免許を持っていたため筆記試験を受ける際の詳細は分かりません。
ただバイクの免許を取得した台湾人のVlog等を観たところ、ひとつ前の試験申し込みが終わると、すぐに筆記試験会場へ案内されて筆記試験を受ける運びになるようです。試験の点数及び合否結果も試験終了後に即出て85点以上取れば合格です。
筆記試験の出題形式は、PCを利用し、問題文を読んで3つの答えの中から正しいものを選ぶ選択方式が採用されています。
問題に関しては過去問やオンライン模擬試験なども無料で用意されているので、お金をかけなくても充分な試験対策は可能です。また士林監理站には建物に入ってすぐ右に模擬試験用のPCが置いてあります。
6. 実技試験
筆記試験に合格した人は実技試験を受けに行きます。建物を出て右の駐車場の奥に「機車路考場」という案内があるのでそれに従って進みます。
バイクを用意してきた人はバイクを押して試験場へ、筆記・実技試験申し込み時にバイクレンタルを申請した人は徒歩で試験場へ向かいましょう。
実技試験会場の直前にある「機車路考報到處」にいる試験官へ機車駕駛執照登記書を渡します。
前の人の試験が終わって、自分の順番が回ってくると試験に使用するバイクとヘルメットを貸してくれます。
ヘルメットの装着に問題はないか、エンジンがかかるか、ウインカーが点灯するか、ブレーキが効くかなどを確認します。
流石に今日初乗車したバイクでいきなり試験を受けるのは難しいので、前進だけはその場で軽く練習させてくれますが、試験場でバイクを借りる場合は、基本的にほとんど練習がない状態で試験に望むことになります。
実技試験が終了したら、試験官から結果が書かれた機車駕駛執照登記書を受け取ります。実技は70点以上で合格です。
合格できなかった場合はどこで減点があったのか試験官がアドバイスをくれると思うので、再挑戦した時のためによく聞いておきましょう。
肝心の実技試験の内容や雰囲気ですが、監理站公式のYouTube動画で確認可能です。
内容は基本的にどの監理站でも同じですが、監理站ごとに確認項目の順番が微妙に異なるので、自分が試験を受けにいこうと考えている監理站が出している実技試験の動画があれば、その動画を確認しておくと内容がより正確に掴めます。
しかしいくらイメージトレーニングができるとは言え、実際にバイクに乗ってみないと感覚は掴めません。試験に臨む前に実機で練習したいですよね。
そんな方々の救済措置として、士林監理站では試験実施日の実技試験が始まる前の30分間〜1時間だけ実技試験場が練習場になります。また専用の練習場も各地に用意されていて、Googleマップなどで『機車練習場』と検索すると場所も出てくるので、家族や友人からバイクを借りることができる人は練習しに行ってみましょう。
さて、練習場が近くになければバイクを借りる人もいない場合ですが、日本と同じように「駕訓班」と呼ばれる教習所があるので、そこへ通うのもひとつの手だと思います。費用もそこまで高くはなく、バイクなら日本円で1万円程度で教習を受けられるようです。
ただバイクの場合、その教習料と試験を受ける際にかかる費用を天秤にかけると、合格するまで直接試験を受けた方が安く上がる可能性は高そうですよね。悩みどころです。
7. 免許証交付
安全講習を受け、筆記試験と実技試験に合格したら晴れて運転免許証交付です。建物2階の左奥に免許証に関するカウンターがあるので、入口で整理券を取ります。
番号が呼ばれたら、カウンターへ各試験の点数が書き込まれた機車駕駛執照登記書を提出して「我要拿駕照」と伝えます。
問題なければ、免許証交付手数料として200元を払い、少し待つとその場で免許証を受け取ることができます。
受け取った免許証に記載された個人情報を確認し、誤りがなければバイクの運転免許の試験及び免許証の受け取りは完了です。
台湾でバイクの運転免許証を取得する費用について
台湾でバイクの運転免許証を取得するあたり掛かった費用の詳細と合計です。
項目 | 金額 |
---|---|
身体検査 | 150元 |
試験費用 | 125元 |
レンタルするバイクの燃料代 | 28元 |
免許証交付手数料 | 200元 |
合計 | 503元(約2,213円) |
という具合に、日本円にして2,000円ちょっとの費用でバイクの運転免許が取れました。
僕は上述した当時の試験制度に則り、筆記試験を受ける必要がなかったので試験費用が半分の125元になっていますが250元だったとしてもかなり安いですよね。
日本より運転免許取得にかかる費用は圧倒的に安い
記事冒頭でも書いたように今回は「普通重型機車(排気量50cc〜250cc)」という車種の運転免許を取得しました。
日本でこれと同等の車種の運転免許を取るとしたら、直接試験場で運転免許試験を受けても合計2万円強かかりますし、教習所に通ってから試験を受ける場合は教習料だけで5〜15万円かかるのが相場でしょう。
台湾の運転免許保有者が日本で運転するための制度もありますし、台湾で運転免許の試験を受ける資格があり、生活でバイクや車の運転が必要になる方は、台湾で運転免許を取ることを検討する価値は充分あると思います。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。