ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
日本には星野リゾートという有名な総合リゾート運営会社がありますが、台湾の台中にも同社が展開する「星のやグーグァン」というリゾートホテルがあります。
今回はその星のやグーグァンに泊まってみたので、その時の様子を時系列で振り返ってみたいと思います。どうぞご覧ください。
目次
星のやグーグァンの場所・アクセス方法
星のやグーグァンは台湾・台中の郊外にある全域が山岳地帯で構成されている行政区画にあり、電車などは通っておらずアクセス方法はバスか車に限られます。
星のやグーグァンでは部屋の予約をした後、専用のチャーター車による台湾の各空港、台中新幹線駅など希望の地点までの送迎をお願いすることも可能です。
僕は台中の市街地に住んでいるので当日はUberを利用して目的に向かいました。平日で道は全く混んでいませんでしたが到着までに約1時間半かかりました。運賃は約1,200元(約4,920円)でした。
帰り道は星のやグーグァンにタクシーを手配してもらい2,000元(約8,200円)でした。ご参考ください。
バスを利用する場合は台中新幹線駅、そして市街地の台中市政府や新光三越、秋紅谷付近のバス停から出ている153路線のバスに乗れば、星のやグーグァンの近くあるバス停まで行ってくれます。
ただ片道最低3時間はかかる上、下車した最寄りのバス停から星のやグーグァンまでは更に20分ほど歩くので、時間や体力に余裕がある人、バスに乗るのが好きな人以外にはあまりおすすめできません。
星のやグーグァンで過ごした時間を振り返る
1. 入館からチェックインまで
星のやグーグァンがある谷關は台中市和平區博愛里という場所にある渓谷です。
谷關は台湾の中央部を東西に横断する自動車道を走る際は必ず通り抜ける場所で、まるで関所のようになっていることが『谷關』という名前の由来になっているそうです。
谷関に近づいてくると写真のように周囲には山しか見えなくなります。
道路が整備されている奥の奥まで進みついに到着。エントランスアプローチにはこれから過ごす時間への期待を高めてくれる光景が広がります。
車から降りるとスタッフがお出迎え。すぐに荷物を受け取って部屋まで運んでくれます。
自然が広がっていた外の風景とはガラッと雰囲気が変わるスペクタクルなレセプション。
和モダンを感じる優雅且つミニマルな空間。
この2つの素晴らしい空間を通って、まずはライブラリーラウンジまで案内して頂き、予約内容の確認やチェックインに関する説明を受けます。
チェックイン可能な15時の1時間半前に到着したので、説明を受けた後は部屋の準備が整うまで敷地内を散歩することに。
お土産をチェック。
ライブラリーラウンジではお土産になっている食べ物の一部が無料で提供されています。
ライブラリーラウンジの全面ガラス窓から見える、『水の庭』と呼ばれる庭園を歩きます。名前の通りどこに居ても水路が伸びていて、水が流れる心地よい音が聞こえてきます。
水の透明度が高く生態系をまじまじと観察したくなるこの水路、滞在中にスタッフがこまめに水中の落ち葉や余計なものを取り除く様子を何度も見かけたので、この素晴らしい環境は地道な作業の上に成り立っているのでしょう…。
また、庭園には各所にガゼボが設置されていて、飲み物や食べ物を持ち込んで自由にくつろぐことができます。
2. 客室へ
入室の準備が整うとスタッフが声をかけてくれるので、スタッフと一緒に宿泊する部屋へ向かいます。
客室棟の廊下を歩くと形がジグザグしていることに気づきますが、これは意図的なもので台湾の入り組んだ街をイメージして設計されているんだとか。
部屋に入り、設備などについての説明を受けます。
その後はウェルカム和菓子でおもてなしして頂きました。柑橘系の和菓子でお茶とよく合い美味しかったです。
和菓子に舌鼓を打ちながら、食事予約の確認、現在行われているアクティビティの説明を受けます。
予約無しで参加できるアクティビティもありますが、人数が定員に達したら催行されるものや事前予約必須のものもあるので、参加したいアクティビティがある場合はここで確認しておきましょう。
3. 客室の様子や設備をチェック
星のやグーグァンには全5タイプの客室があります。今回宿泊したのは全50部屋ある客室の内、5部屋しかない『月見』という客室。
メゾネットタイプになっていて下階フロアのほぼ半分が温泉スペース(他の客室の約2倍の大きさ)なのが特長です。
リビングスペースに置かれたテーブルと椅子が直線で構成された室内のアクセントになっていて可愛いです。
景色を楽しむために設置された月見台。一見固そうな薄いマットに見えるんですが、想像以上にフカフカしていて寝転ぶと本当に気持ち良いです。
今回案内された部屋は庭園が一望できる位置でした。
キングサイズのベッド。もちろんここからでも外の風景を眺めることができます。
お部屋の雰囲気に合ったデザインの電話機とコーヒーマシン。
冷蔵庫に入っている炭酸飲料やビールは無料で提供されています。
作務衣風の館内着やパジャマ、足袋などもあります。
玄関に置かれた敷地内を移動するための下駄。
表を歩くとカコンカコンと良い音が鳴るしっかりした作りの下駄なんですが、結構重いのと提供されている足袋との相性が良くないこともあり、正直に言うと歩きにくかったです。笑
作務衣風の館内着を着て下駄を履くと様にはなるのですが、快適性を考えると館内移動用に履き慣れたサンダルを持ってくるなどしたほうが良いと思います。
下のフロアに降りてみましょう。
このお部屋の主役である広々とした露天風呂の温泉スペース。今はチェックだけなので、後で入浴する際にもう少し詳しく説明します。
浴槽だけではなく身体を流すためのシャワールームもあります。
脇にはバスローブが設置。
お手洗いは上階と下階に1つずつ。
パウダールームです。ワイドスクエア型の洗面ボウルが2つあるので、2人いてもスムーズに支度ができます。
洗面ボウル下の引き出しにはアメニティーグッズとドライヤー、タオル類が設置されており必要な物は一通り揃っているようです。
地味に嬉しかったのがパウダールームに置いてあるこの星のやグーグァンオリジナル手提げ袋。
財布や携帯などを入れて敷地内を移動するのにぴったりの大きさで、記念品として持ち帰ることもできます。
温泉スペースとパウダールームの間にある畳の間。い草の香りが鼻腔をくすぐるのを感じながら湯上がりの時間をゆったり過ごすことができます。
4. プールで遊ぶ
荷物の整理や部屋のチェックを終えたら、次は敷地内の公共施設を楽しんでいきたいと思います。
最初に向かったのは客室から庭園を見た時に存在感のあるプール。
僕が行った時期のプールは10時〜18時の時間帯に開放されていて、予約していなくても直接行って受付すれば使用することができました。受付が完了するとバスタオルを貸してくれます。
またプールの受付はドリンクバーにもなっていて水、麦茶、運動飲料、ライムソーダがペットボトルで無料提供されています。
他の台湾の山に比べると数は少ないですが多少蚊も出るので、防虫グッズも同じ場所で貸し出ししています。
さてプールに入っていきますが、僕が訪れたのは11月半ば、しかも山奥ということで比較的暖かい日が多い台湾でも水温は25度。日本の学校のプールの基準を満たしているもののなかなか寒かったです。
温泉にいつでも入れるからという安心感が気持ちを大きくさせ、多少寒くても気にせず水遊びを堪能。
5. 客室の露天風呂
次は客室に戻ってプールで若干冷えてしまった身体を暖めるために温泉に浸かります。
星のやグーグァンは全室源泉掛け流し、泉質は弱アルカリ性炭酸水素塩泉で「美肌の湯」と呼ばれています。
確かに入浴後は家でシャワーを浴びた時より確実にお肌がしっとり、髪もサラサラになりました。
温泉スペースを外部から覆っている木製ルーパーは開けられるようになっていて、全て開放すると温泉に浸かりながら風景を楽しむことができます。
完全に閉じていても適度な空間があるので、プライバシーを保ちながら爽やかな風を感じて温泉に浸かることも可能です。
身体が暖まってきたらすぐ横のソファや椅子で休憩することもできます。
余談ですが、部屋に入って設備をチェックしている時に露天風呂前のルーパーが一箇所動かなくなっているのを発見したのですが、フロントに問い合わせたらすぐに修理に駆けつけてくれました。迅速な対応に感謝です。
6. プールサイドでカクテル
日が落ちた後、夜になるとプールサイドで提供されるカクテルを飲みに行くことに。星のやグーグァンのアクティビティのひとつです。
プールの受付をした場所が夜はカクテルを提供するドリンクバーになります。
夜の庭園は一定の間隔で設置された照明に優しく照らされています。
ガゼボのソファに座りながら注文したカクテルをゆっくりいただきます。
アルコール入りのカクテルもありますが、この後夕食が控えていたのでノンアルコールのカクテルにしました。
7. 夕食
さてリゾートホテルの楽しみのひとつ、夕食の時間です。プールサイドでカクテルをいただいた足で庭園を歩きダイニングへ向かいます。
夕食は単品メニューを注文することも可能ですが、事前に予約することで星のやグーグァンでしか味わえない台湾の食材を使ったコースの会席料理が楽しめます。
僕はせっかくなので夕食にはこの会席料理を予約しました。
会席料理を予約すると食事を始める時間を17時または19時半からにするか選択できるのですが、僕は19時半からを選びました。
結果的に15時のチェックインから、あれこれしている内にあっという間に3,4時間は溶けるので、いつも17時くらいに夕飯を食べる自分でも、19時半からにしておいて正解だったと思います。
苦手なものやアレルギーがある場合は事前に連絡をして、料理の内容をアレンジしてもらうことも可能です。また日本人の客には日本語での料理説明サービスも提供されています。
味はもちろん、厳選された日本の器を使用した料理の数々は目でも楽しめます。
夕食後は部屋に戻って夜景を眺めながら湯船に浸かり、食後のドリンクを飲みました。
8. 朝の大浴場、ついでに庭園を散歩
2日目。少し早起きして向かったのがまだ利用していない施設。そう大浴場です。
大浴場は撮影禁止だったので文字のみになってしまうのですが、内湯は檜風呂になっていて、そこで身体を身体を暖めてから露天風呂に向かいました。
大きな露天風呂に浸かりながら上を見上げると、視界は樹木や植物、空で埋め尽くされ、耳には滝の音や鳥の囀りが届き、台湾の大自然に包まれているような感覚になりながら温泉を堪能。
僕が大浴場を利用したのは7時半頃で、他の客がまだおらず自分が本当に男湯に入ったかどうか心配になりましが、大浴場を独り占めでき贅沢な時間を過ごすことができました。
バスタオルやハンドタオル、アメニティ類は更衣室スペースで提供されていますし、台湾の大浴場は水着着用を求められることもありますが、こちらは水着なしでも入れるので、鍵以外は持っていかなくても問題ありません。
客室にも露天風呂はありますが大浴場の温泉も欠かさず味わって欲しいです。
過ごす | HOSHINOYA Guguan | 星のやグーグァン | リゾート【公式】
湯上がり後にやってきたのが4階の風の間。星のやグーグァンがおすすめするスポットのひとつです。
実は昨晩の食事後に一回来ているのですが、その時は既に真っ暗で何も特別感は抱きませんでした。
ですが陽のある時間帯にこうして改めて座ってみると優しい風が吹き抜けていき、湯上がりに休憩するのにぴったりであることに気付きます。朝は日差しがきつかったので夕方に来るのが一番良いのでしょう。
次の予定までもう少し時間があるので朝の庭園も散歩してみます。
朝陽を浴びてプールや水面に反射した光が樹木に映った様子が綺麗。
庭園は各時間帯で見せる表情が異なるので、余裕があればチェックインした後に日中、夜、朝と観察してみるのをおすすめします。
あと個人的に好きだったのが客室棟1階の廊下。
夜は夜でライトアップされていて綺麗なのですが、朝に通ると隙間から竹林の影が落ちて非常に美しいです。
9. 朝食
お風呂で汗を流し朝の庭園を散歩して腹が空いたところで、昨晩夕食の際に訪れたダイニングにて朝食を食べます。
朝食は台湾式のお粥、和食、アメリカンブレックファーストの3つから選択可能です。
日本から来るお客さんは、特に前日会席料理を食べている場合、せっかくの台湾ということで朝食に台湾式のお粥を選択する人が多いんじゃないかと思います。
僕はこの時1年近く日本へ帰っていなかったこともあり、朝にも和食をいただきました。
照明がぼんやり浮かぶ夜のダイニングも雰囲気があって良かったですが、庭園がしっかり見える朝のダイニングも良いですね。
10. チェックアウトまでの残りの時間とその後
朝食後にちょうど湯上がりラウンジで『擂茶』を提供中だったので行ってみました。
擂茶は客家人が客をもてなす時のお茶受けです。穀類を挽いて作ったドロドロのお茶のような感じ(どちらかというと食べるに近い)。
その後は部屋に戻って朝陽を浴びながら最後の入浴を楽しみ、
時間ぎりぎりまで部屋で過ごしてチェックアウトしました。
チェックアウト後すぐ谷關を離れるのももったいない気がしたので、レストランやお土産屋が並ぶ谷關溫泉公園の辺りにも歩いて行ってみました。いい意味でも悪い意味でも星のやグーグァンから出た時のギャップがすごい。
手配したタクシーを待つために、一度館内へ戻ってライブラリーラウンジにある無料のドリンクやお菓子をつつきながら寛ぎ、到着したタクシーに乗って星のやグーグァンを後にしました。
最後に
以上、台湾の台中にある星のやグーグァンに泊まってみた様子の紹介でした。
1泊2日だけの滞在でしたが、振り返ってみると沢山の良質且つ新鮮で密度の高い時間を過ごしたので、もっと長く居たような感覚もあります。
台湾の天然資源を活かした日本のモノづくりの技術の高さや、それを受け入れ、より良いものを追求した台湾があってこそ完成した場所だと思うので、機会があればまたここでの唯一無二の特別な時間を過ごしたいです。
施設情報
星のやグーグァン(虹夕諾雅谷関 温泉渡仮村)
台中市和平區博愛里東關路一段温泉巷16號地図(Googleマップ)で見る
「星のやグーグァン」の宿泊予約はこちら
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。