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九份のさらに奥地へ! かつて金山として名を馳せた台湾「金瓜石」の観光スポットを巡る

ども、九份はもう何回行ったか分からない台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。

日本人にとってはもはや台湾 = 九份と言ってもいいくらい、目を閉じればあの光景が浮かぶお馴染みの九份ですが、その九份が東北アジア一の金鉱山(瑞芳鉱山)として栄え有名だった過去はご存知でしょうか。

そして、その九份と同じようにかつてゴールドラッシュに湧いた地域であり、九份から更に奥へと進んだ場所が今回のタイトルにもある地域「金瓜石」です。

最近その金瓜石を個人的に調べていたのですが、調査している内に九份と同じく金鉱で栄えた場所だったとは思えないくらい金瓜石は別の道を歩んでおり、同時に興味深い場所がたくさんあることに気づきます。

ただ九份にしても既に交通がそれなりに不便なので、その奥の金瓜石の色々な場所へ行くにはもっと不便なわけです。

とりあえず九份行きのバスに乗って金瓜石周辺で降りた後は体力勝負じゃい〜と思っていたところ、いつもお世話になっている台湾の旅行会社Finemakersさんから声をかけて頂きまして、貸切の車で自分の行きたい場所だけを楽しむことができるフリープランを利用して、金瓜石を散策してまいりました(出来すぎ)。

というわけで今回は、その金瓜石で訪れた観光スポットを写真と説明を交えながら紹介していきたいと思います。どうぞご覧ください。

今回訪れた場所

金瓜石 黃金博物館

金瓜石 黃金博物館の入口

まずはじめに「金瓜石 黃金博物館」へやってきました。

金瓜石 黃金博物館のガイドマップ

実際に来る前は、名前から想像するに博物館がひとつぽつんとあるだけかと思っていたのですが、それなりに広いこの敷地一帯を「黃金博物館」と呼ぶそうで、博物館というよりは金や金瓜石に関することが学べるテーマパークのような施設になっています。

金瓜石 黃金博物館敷地内

ここでは金瓜石 黃金博物館の中にある施設をいくつか抜粋して紹介いたします。

太子賓館

太子賓館

こちらはかつて日本の皇太子(昭和天皇)を迎えるために建てられた、日本式書院に西洋のエッセンスが加えられている建物「太子賓館」です。

日本式の庭園

敷地内に足を踏み入れると日本にいるような感覚になります。

太子賓館の敷地内

しかし皇太子は情勢などの変化の影響で最終的に来ることができなかったそうで、この建物の建設に関わった人はさぞかし残念だったでしょう。

黄金館

黄金館外観

黄金博物館の名で連想するような展示はこちらの「黄金館」の中で行われています。

黄金館の展示物

金に関する展示物や金で作られた物などがズラリ。

触ることができる本物の金塊

この黄金館の目玉はなんといってもバカでかい本物の金塊に触れられること。

金の値段

ちなみにこの金塊の重量は226kgで、その日の価値は268,799,045元でした。桁数にクラクラしますがつまり日本円で10億円近い価値があるということです。

本山五坑坑道體驗

本山五坑坑道體驗の入口

こちらの「本山五坑坑道體驗」は、かつて金瓜石で実際に作業員が働いていた坑道のひとつを利用して鉱物採掘の疑似体験ができるようになっています。

安全帽

採掘現場への入場には安全帽の着用が義務付けられていてかなり本格的。

採掘現場体験の入口

軽く説明を受け、いざ採掘現場へ。

薄暗いトンネル内

採掘現場となるトンネル内は薄暗く、時折頭上から水が滴り落ちてきます。

当時の採掘現場を再現した人形

特定のポイントに着くと、人形と音声で当時の採掘現場の様子が再現されています。

耳を塞ぐ人形

こちらは爆薬を使って岩を爆破しようとしている瞬間。

ボディチェックを受けている様子

作業員が坑道を出る際に鉱物を個人的に隠し持っていないかボディチェックを受けている様子ですね。

採掘現場入口

本山五坑坑道體驗の入場には黄金博物館入口で売られているチケットとは別に料金がかかりますが、なかなか面白いので見る価値はあります。

礦工食堂で食事

礦工食堂

お腹が空いたので「礦工食堂」という木造のレストランで食事をすることに。

礦工便當

僕は一番スタンダードな「礦工便當」を注文しました。礦工便當は「採掘作業員弁当」という意味で、こちらのお弁当は当時作業員が食べていたものを完全再現…! というわけではなく単純にそういう名前なだけです。

値段は台湾の各駅で購入できる台鐵便當(台鉄弁当)の2〜4倍くらいする強気の設定でしたが味はかなり美味しかったです。

施設情報

金瓜石 黄金博物館

新北市瑞芳區金瓜石金光路8號地図(Googleマップ)で見る

営業時間/月曜日〜金曜日 09:30〜17:00、土曜日・日曜日 09:30〜18:00

定休日/なし

http://www.gep.ntpc.gov.tw/

黄金神社

黄金神社に続く山道

続いて黄金博物館の一帯から繋がる山道を登っていきます。

黄金神社

勾配のある長〜い石段を登って頂上に到着すると、日本の企業によって鉱業に関わる人達の平安を祈って建立された「黄金神社」が現れます。正式名称を「金瓜石神社」と言い、建立当時は「山神社」という日本風の名前でした。

削られた日本語

社殿は破却され、各所に彫られた日本語も削られ、中華民国が台湾を接収した当時の様子も感じますが、修繕を経て一部の柱や鳥居、燈籠などは今も形を留めています。

お賽銭として置かれたお金

お賽銭として置かれたお金の中には台湾ドルだけではなく日本円もちらほら。一帯が金鉱だったこともありお参りをすれば確かに金運上昇の御利益がありそう。

黄金博物館から見える風景

体力に自信がある人は是非頂上まで登ってそこから見える絶景を眺めながら、かつてこの地に関わった日本人に思いを馳せてみてください。

施設情報

黄金神社(金瓜石神社遺址)

新北市瑞芳區金光路8號地図(Googleマップ)で見る

黃金瀑布

黃金瀑布

次にやってきたのは「黃金瀑布」という金瓜石エリアにある有名な滝です。

黄金の岩壁

黃金瀑布の岩壁は流れ出している成分で化学反応を起こし、このような黄金色に変化しているそうです。個人的に台湾で見てきた滝の中で一番美しいかも。

黃金瀑布を背景に写真撮影をする観光客

ちなみにこの辺りの水は人体に影響を及ぼす有害物質を含んでいて、飲んだり触れたりすることは禁じられているのでお気をつけください。

場所情報

黃金瀑布

新北市瑞芳區金水公路地図(Googleマップ)で見る

勸濟堂停車場脇のトンネル 〜 浪漫公路 〜 六坑斜坡索道

千尋トンネル

続いては勸濟堂という寺院の駐車場に車を停め、その脇にあるトンネルへやってきました。

このトンネルは見た目がジブリ映画『千と千尋の神隠し』のワンシーンに出てくるトンネルと似ていると台湾で噂になり「千尋トンネル」とも呼ばれているとか。

千と千尋の神隠しの1シーンを再現しようとしている様子

同行して頂いたFinemakersの女性スタッフの方に立って頂き、例のシーンを再現してみました。千尋、いくよ!

(千と千尋の神隠しをちゃんと観たことがなかったので、上のセリフを書くためだけに実家にあったDVDからこのシーンを必死に探しました。まさかのラストシーン…。)

場所情報

勸濟堂停車場

新北市瑞芳區地図(Googleマップ)で見る

浪漫公路から見える景色

トンネルを抜けると異世界に繋がっているわけではなく、通称「浪漫公路」と呼ばれる景色が絶景な道に出ます。

場所情報

浪漫公路観景台

新北市瑞芳區地図(Googleマップ)で見る

ロープウェイ乗り場だった廃墟

またそこから左に進んでいくと、鉱業が盛んだった頃に利用されていたロープウェイ乗り場の廃墟があります。この辺りは韓国人観光客が多く訪れる撮影スポットになっていますが日本人の姿は0です。

場所情報

六坑斜坡索道

新北市瑞芳區祈堂路地図(Googleマップ)で見る

天空之城 十三層遺址

天空之城 十三層遺址

最後にやって来ました、なにやら厳かな名前の「天空之城 十三層遺址」。こちらは正式名称を「水湳洞選煉廠」と言い、以前金の製錬や錬金などを行っていた工場の跡地です。

近くから見た天空之城 十三層遺址

工場は1987年に営業を停止しましたが、2007年には新北市によって歴史的建築として登録され、現在は保存対象になっています。

遠くから見た近くから見た天空之城 十三層遺址

建物の中まで入っていくことはできませんが、遠くからの見た目がなかなか雰囲気があって格好良いので、近年ではMVの撮影や写真撮影スポットとして人気だそう。

場所情報

天空之城 十三層遺址

新北市瑞芳區地図(Googleマップ)で見る

最後に

かつて金瓜石と台北を繋いでいたバス

以上、金瓜石にある観光スポットの紹介でした。

こうして九份のすぐ近くにこのような素晴らしい産業遺産が眠っているのを目の当たりにすると、九份であの景色をだけを見て台北市内に戻るのはもったいなく感じますね。

交通面に関しては、九份行きのバスに乗れば「金瓜石 黃金博物館」前まで行けるので、そこから歩いて回ることも可能です。

ただ車で色々回らせて頂いた後の正直な感想としては、普段あまり運動をしない自分の体力から言っても当初考えていた徒歩での散策はやはり無謀だったかなと思います。笑

是非、僕が今回利用したようなプランを活用して、九份だけに留まらず金瓜石まで足を伸ばし色々な台湾を楽しんでみてください。

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ナカジマチカ

ナカジマチカ / nakazimachica

神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作のフリーランスとして生活中。

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ロープウェイ乗り場だった廃墟
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