ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
先日、100年近い歴史を持ち、2020年に再オープンした台中の中央書局という書店へ行ってきました。
今回は中央書局の概要と現地の様子を紹介したいと思います。それではご覧ください。
目次
中央書局とは?
中央書局は台中の中区にある書店(複合施設)です。
20世紀の初め、当時海外から帰国した知識人や台湾中部の有力者たちによって発足した『中央倶楽部』を前身とし、1927年に中央書局はオープンしました。
当時の台湾では中国語の本を取り扱う書店として最大の書店でした。
しかし、中央書局は1998年に閉店してしまい、時間とともに建物は廃墟のようになってしまいました。
一度は取り壊しも計画されましたが、2015年に信誼基金會董事長である張杏如氏の手によって1億元(約4億円)で買い取られ、再建への道を歩むことになります。
そして2020年、約100年の時を経て再び書店として正式オープンしました。
中央書局の様子
中央書局は台中の台湾大道沿いにあります。
300〜310路線のバスに乗って『第二市場(台灣大道)』で降り、徒歩2,3分で到着します。
中央書局の外観は円弧型、クリーム色の外壁、金のサインを設えエレガントな印象を受けます。
1948年の建物の写真を見ると、再建された建物は当時の姿を継承していることが分かるのですが、その時の設計者は林文章という方で、彼は当時台中市内にある建物で一番豪華だった彰化銀行總行を参考に台中書局をデザインしたと言われています。
窓枠は全て同じ形状ではなく微妙に変化があります。
再建に関するドキュメンタリーによると上部の装飾は型を取って作り直したそうです。
さて、館内に入ってみましょう。
まず気になったのが天井。見たことがある方なら気づくと思いますが、台中にある彰化銀行總行の天井のデザインと似ています。実物の写真はGoogleマップの屋内写真などからご覧いただけます。
元々外観についても彰化銀行總行を参考にデザインしたとされているので、デザイナーによるオマージュということしょうか。
1階では厳選されたアイテムが販売されています。
上階へ続く階段の位置は当時のままだそうです。
ただ当時の構造だと天井が低く身長が高い人だと頭をぶつけるくらいの高さだったので、少し調整されているそうです。 手すりは二重にし、大人にも子供にも対応しています。
2階にはイートインエリアが併設され、書店としては少し大きなめのキッチンがあり、飲み物や軽食、料理が提供されています。
メニューは台中の第二市場や第五市場で仕入れた食材を使って作られているそうです。
美しくディスプレイされたスイーツ。ブックカフェとしても利用できますね。
扇形の店内に沿って設置されたテーブルと椅子。
2階の書棚には飲食に関する書籍が多く並びます。
キッズプレイルームもあります。
古い建物だと気になるのが耐震面ですが、再建にあたり建物は全面的に検査された後、現在の耐震基準に合わせ強度の足りないコンクリートは取り除いて新しいコンクリート流し込み、柱は1つ1つ強化したそうです。
柱は上部が無地の白、下部が洗い砂利のツートンになっています。
3階は講演会やギャラリーなどのイベントを行うスペースにもなっており広々としています。
カーブする壁に沿って書棚が綺麗に配置されていて、視覚的な気持ちよさがあります。
3階の天井は張り巡らされた格子状の小梁と放射状の大梁が美しさが際立ちます。
最後に
以上、台中の中央書局の紹介でした。
台中には『文化城』という別名もありますが、その美しい名前は台中にはこの中央書局があることが少なからず寄与しているのではないかと思います。
台中にお立ち寄りの際は、こちらの中央書局で本を手に取り、台中のことを考えながらゆっくり行動プランを練る、そんな時間を設けても良いのかもしれません。
施設情報
中央書局
台中市中區台灣大道一段235號地図(Googleマップ)で見る
営業時間/月曜日・水曜日〜金曜日 11:00〜19:00、土曜日・日曜日 09:00〜19:00
定休日/火曜日
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。