ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
日本で生活していた頃は半年に1回は歯医者で定期検診を行っていたので、ここ数年間虫歯とは無縁の生活を送っていたのですが、台湾に住んでいることと無保険であることが心の枷になって約1年歯医者に行けていません。そろそろ歯の状態が心配です。
ちなみに僕は台湾へ移住する際に海外転出届を提出しており、日本の健康保険には加入していない状態です。だから日本への帰国を待ってから歯医者へ行くのは再び日本の健康保険に加入しない限り得策ではなかったりします。
そんな理由もあって今回は日本に帰ってから無保険で歯医者へ行くより安く済めばいいなぁぐらいの気持ちで、台湾の歯医者で定期健診と歯のクリーニング(歯垢・歯石・着色の除去)をしてみました。
本当は台湾の健康保険に加入してから歯医者へ行きたかったのですが、僕のような語学留学性の場合、台湾の健康保険は居留証を取得してから180日経過しないと取得できないようで、取得できる頃には日本へ帰って居留証も失効するためやむを得ず無保険での治療です。
今回は台湾の歯医者で無保険で定期検診と歯のクリーニングを行った場合の診察の流れや日本の歯医者との違い、そして気になるかかった治療費などを紹介していきたいと思います。
目次
台湾の歯医者の探し方や受付の方法
日本人が多く住むエリアは日本語に対応している歯医者もあるそうなのですが、事前にネットで調べていたら無保険だと色々付け込まれた上、ボラれそうな雰囲気が若干漂っていた(偏見)のと、せっかく台湾に住んでいるので現地人しか行かなさそうな歯医者に行きたいいという理由で、家から徒歩で行ける歯医者に行きました。
中国語で歯医者は「牙醫/牙科」です。注意深く観察してみると日本と同じように歯医者が街中にあります。またはGoogleマップで検索をかければすぐ出てきます。
院内に入っていき受付を訪ねると「有沒有預約? … 予約していますか?」、「有健保卡嗎? … 健康保険証はありますか?」と聞かれるので、どちらにも「沒有 … していません/ありません」と答えます。(電話で予約できる人はしていった方が確実です。)
もし予定が空いてればその場で診察が受けられるので、初診の場合は問診票に必要事項を書くように促されます。他のお客さんで予約でいっぱいになっていた場合は予約だけして後日また改めて来ましょう。
問診票に記入するもので必要な項目は名前・住所・統一番号・電話番号です。あとは過去に身体の器官に持病や手術歴があるかどうかみたいな確認があります。
最後に何をしたいか伝えるわけですが今回の僕のように「私は歯のクリーニングと虫歯のチェック(定期検診)をしてもらいたいです」の言い方は、「我要洗牙,檢查有沒有蛀牙(ウォヤオシーヤー、ジエンチャーィヨウメイィヨウジューヤー)」です。
あとは先生の準備ができ次第、診察をしてもらえるでしょう。
台湾人の先生とのコミュニケーションや治療の進め方について
台湾人の先生とのコミュニケーション
僕は本当に運が良く担当の先生は英語が堪能で日本語も少しだけできました。だから時折り英語や日本語を混ぜて会話をしてくれました。(翻訳してくれた言葉は中国語でも分かる簡単な単語だったけど)
また説明に必要だけど、少し難しい専門的な中国語は、メモ帳に文字を書いたりや絵を描いたりして補足してくれたりして、ここまで説明必要かな? っていうくらい丁寧に教えてもらいました。
歯の詰め物は日本で使ってるのと違い詰め物をしてるって見た目からは分からない材質だとか、歯のクリーニング用に使ってる機材の名前は中国語で「超聲波」とか(これは割と本当にどうでもいい。笑)
とりあえず「台湾の歯医者は費用面でも技術面でも世界で一番優れてるよ。」と仰ってました。信用したい!
治療の進め方
診察の結果ですが「よし、虫歯無し! じゃあ歯のクリーニングだけするね。」で済めば良かったんですが、今回は残念ながら虫歯が3つもできていました。毎日食後に歯を磨いて、寝る前には歯間ブラシも欠かさずかけてたのにショックです。
その後はまず初めに患者(僕)が外国人だからと適当に進めず、「今こういう状態だからこういう治療をしていく」ということを僕が理解できるまで丁寧に説明してくれました。
費用についても曖昧にせず、僕が台湾の健康保険に加入していないため「これをやるためには幾ら掛かる」と事前にきちんと伝えてくれました。
また「この歯(親知らず)は今は大丈夫だけど、ちょっと怪しいので日本へ帰ったら保険を使って抜いてもらってね」など、取り急ぎの治療は必要ないけど、ゆくゆくは治療(や抜歯)が必要なものについては、僕の支払いが最小限で収まるよう配慮してくれました。
虫歯治療の手順は歯医者が教える歯のブログの「歯の白い詰め物の治療/写真でわかるコンポジットレジンの治療手順」という記事で事前に予習していったの(細かい)と、ほぼ一緒でした。
治療前と治療後の状態を肉眼で見せてくれたので、自分の歯の状態を確認しながら安心して治療を受けることができました。
台湾の歯医者と日本の歯医者の違い
大体一緒ですが気付いた事を何個か書きます。もちろんここに書いたことが全て台湾の歯医者だからといって当てはまるわけではなく、中には日本と同じ方針・環境で治療を行っている歯医者もあると思います。
他の歯医者には無いような事も含まれているかもしれませんし、僕自身が観察するのが好きなので非常に細かい点があることを予めご了承ください。
予約時間通りに始まらない
2回目の治療は予約を取っていったのですが、時間ピッタリにいったら先生が(近くにある家で休憩中なのか)玄関から私服で入ってきました。
治療と先生の準備が整うまで30分くらい掛かりました。その間何をしていたかというと、受付や歯科助手の人たちと日本について話をしていました。
あとで時計を見たら治療時間より雑談していた時間の方が長かったっていうね。
清潔感は日本の歯医者にやや劣る
日本だと歯医者は診察エリアと待機室エリアは区切れていてスリッパで診察室へ進む場所が多いですが、台湾は基本的に靴を履いたまま診察台まで上がります。よって診察椅子の下の方はボロボロで汚れも付着しまくりです。
先生の白衣も、おそらく薬剤だとは思うのですがカラフルな染みが付いていたり、機材もちょっと年季を感じる汚れがあったり(直接口に触れない部分)で、見た目からくる印象で衛生面は気になってしまいました。
唾液を吸う機材(バキューム)をあまり使わない
日本だと口内がカラッカラになるくらい分泌された唾液をこまめに吸ってくれますが、今回訪れた歯医者ではあまりバキュームを使っていませんでした。先生の治療方針なども関係していると思います。
吸う必要がある時は、透明のチューブ部分が柔軟性のある材質になっているので、ひん曲げて僕の口元に引っ掛けて使ってました。
歯のクリーニング用の機材が微妙に違う
これは日本と台湾というよりクリニックが導入している機材の違いだと思いますが、歯のクリーニング用の機材が超音波振動するいつもの機材ではなく、噴射口から粒子状になった水が激しく出力される機材でした。
日本だと歯石を除去した後は電動歯ブラシをかけて歯の表面を綺麗に磨き上げていきますが、今回お世話になった歯医者では歯ブラシは出てきませんでした。おそらくその微粒子状の水が歯ブラシの役割をしていたのだと思います。
しかし水蒸気状となったの水が口元で乱舞するので、首元に水滴となって垂れ、歯のクリーニングが終わった後はその日着ていたシャツの襟元がびっしょびしょになりました。気になる人は汚れてもいい服を着て行きましょう(エプロンは付けてくれます)。
詰め物の材料が日本と違う(らしい)
虫歯ができた時削った部分を埋めるやつ(コンポジットレジン)のことです。上にも書いたよう先生曰く日本の物より変色しないし質も良いって言ってました。信用したい!!(2回目)
先生やスタッフがガンガン話しかけてくる
平日の17時前後というまだ一般会社員が帰ってこない余裕のある時間帯と、僕が日本人で先生も日本語を勉強したことがあるという条件が重なった上、スタッフみんな日本好きということで、かなり話しかけられました。
何処に住んでるの?日本のどこから来たの? 来台目的は勉強? 仕事? 結婚してる? 居留証の延長は面倒だし健康保険に加入できるまで時間がかかるし台湾人と結婚すれば良いよ! みたいないつものパターン話から雑談まで色々な話をしました。
また、受付のおばちゃんの娘さん(大学1年生)が日本語を勉強中なので「分からないことがあったら教えてやってよ。」という流れになり、彼女を通じて彼女の娘さんに僕のLINEを教える流れに発展しました。(最初は問診票に書いた電話番号に掛けていい? って言われたけど、ならLINEを別に教えますと断った。)
ちなみに歯医者を出て30分後くらいにその娘さんから友人申請が来ました。お母さんリアルタイムでやりとりしてないで仕事して。更には何故か受付の際近くに居た若い女性歯科助手さんからも友人申請。
名前を聞いてなかったので最初誰か分からなかったのですが、アイコンに設定されてる顔で判断して承諾しました。どこから突っ込んでいいのか分からない。
会計でクレジットカードが使えない
台湾はカード払いをもっと対応すれば良いのにって思うくらい使える所が本当に少ないですよね。設備の整った大きな病院ならカード使用可能なのかもしれませんが、僕が今回行った歯医者は対応していませんでした。
上に挙げた他の点は全然許容範囲ですがこの点だけはちょっと惜しい。
台湾で歯の治療を無保険で受けると費用はどのくらいかかる?
今回は1日目が歯のクリーニング、2日目が虫歯の治療(虫歯部分を削ってコンポジットレジンで埋める)という、合計2日間の工程で治療を進めまして
- (初診料、再診料)+ 歯のクリーニング … 1,000元
- 虫歯x3本の治療 … 3,300元(1,100元x3)
の計4,300元(約15,910円)でした。
結構いっちゃいましたね。虫歯が3つも出来ていたのが痛いです。なければ日本円で約3,700円で済んでたのに。例え若い台湾人女性のLINEを2つゲットしてたとしてもこれはでかい。
日本の歯医者の場合、保険適応ならば定期検診と歯のクリーニングは2,000〜3,000円くらいだったと記憶しております。自費ならば5,000~10,0000円といったところでしょうか。
台湾の健康保険に加入している場合は、日本同様3割の自己負担(普通の会社員の場合)なので定期検診・歯のクリーニングなら300元(約1,110円)以下で済むと考えられます。日本の歯医者で診察を受けた場合の約半分の費用ですね。
台湾の歯医者に行ってみた感想
もちろん日本との多少の違いはありましたが、受付ではスタッフの皆様が意思疎通が取れてるんだか怪しい外国人の僕に対して丁寧に接してくれましたし、先生も僕が納得いくまで説明・対応してくれて、クリーニングや虫歯の治療などの技術も不満に感じることはありませんでした。つまり文句無しです。
実は僕は親知らずが後3本残ってるんですが、こちらの歯医者の対応の良さに惹かれ、日本へ帰る前にそいつらを引っこ抜いてから帰ろうかなと検討しています。
最後に
以上、無保険で台湾の歯医者へ行き、クリーニングや治療を受けてみた際の記録でした。
個人的に思うのは台湾では、食べ物は歯に詰まりやすく飲み物には糖分が含まれていることが多く、歯に対して決して優しい食生活にはなりません。
虫歯を育みやすい環境なので「毎日ちゃんと磨いているし大丈夫!」と思っていても、僕のように気づかない間に虫歯ができている可能性が高いです。日本と同様に最低でも半年に1回は検診へ行くことを熱烈おすすめします。
歯医者によって値段は多少前後する可能性はありますが、無保険でも定期検診(虫歯のチェック)と歯のクリーニングだけなら1,000元(約3,700円)前後で済みますし。
これは台湾に限った話ではありませんが、歯の痛みが我慢できなくなるくらいまで待ってから治療しに行って、サイボーグみたいな歯にされた挙句、多額の治療費を請求されたら馬鹿らしいですからね。
国によっては定期検診が難しい場合もあると思いますが、基本的にはどんな環境においてもマメに歯医者に通うことが一番の節約方法でしょう。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。