ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
先日美容院へ行き、台湾に来てから3ヶ月以上ずっと伸ばしっぱなしだった野暮ったい髪の毛をカットしてもらってきました。ついでにパーマも。
何気に実は僕、30年近く生きてきて日本で美容院に行った経験がなく、しかも今回は日本ではなく海外ということもあって美容院におけるその全ての経験が新鮮づくし。
台湾で美容院デビューという貴重な体験の過程をここに記します。どうぞご覧ください。
そもそもなぜ美容院行ったことなかったのか?
僕の母は僕が生まれる前から仕事として美容師をやっており、美容師を辞めて別の職に就いたあとも、ずっと親戚や家族の髪を切り続けその技術を衰えさせないようにしていました。(故意かどうかは知らないけど)
物心付いた時から母は僕の髪が伸びたら自らの手で僕の髪を切り、僕の生活においてそれが普通となっていて一緒に住んでいた頃はやってみたい髪型や髪色があれば、しょっちゅう母にリクエストしてオシャレに敏感な時期のファッション代を浮かせておりました。
そんな専属美容師がいる人生を送り続けてきましたが台湾移住を機に、その生活が途絶える日がやってきまして、台湾へ住み始める1日前にいつもより短めに整えてもらった髪の毛から約3ヶ月、ついに初めての母以外のカットを経験というわけです。
冷静に考えたら30近い男が母親に未だに髪の毛を切ってもらってたって、「母が美容師」のくだりがあったとしてもまぁまぁ気持ち悪いんですがいつも話のネタにしてます。
さぁ美容院に入ってみよう
美容院に行く当日までに、アタリをつけていた美容院が何店舗かあったのですが、その日にいざ行ってみると、その美容院が営業していない!とか、なんか今日は店内の雰囲気が良くない!などなどの理由で、美容院の前で二の足を踏む始末。
そしてその日は外の気温が33度くらいあり「…だめ熱い」「汗だめ」「早く涼を…」と歩きまわるのも限界になった時に、結局その日初めて見かけた、外から見て愛想が良い美容師さんがいそうな美容院に避難しました(入りました)。
生まれて初めて知らない人に髪の毛を切ってもらう
入っていくと店内奥に導かれ、促されるまま見るからに座り心地の良さそうな椅子に腰掛けます。明るい照明の下で自分の顔がはっきり見える鏡があるとソワソワしますね。
自分の顔が格好良く見える角度を探していたら、後ろから「今日は何をしたいですか?」と聞かれたので、予習しておいた中国語「我要剪加燙(カット+パーマをしたいです)」と答え、続けて「我想像他一樣(彼と同じ感じにしたい)」と言い、iPhoneに保存しておいたカットモデルの写真を見せました(同じようになれないのは分かってるから大丈夫!)
担当の美容新さんが、僕とは顔の大きさの段階からベースが異なるイケメンが保存された僕のiPhoneを持って行き、他の美容師さんとゴニョゴニョ相談した後、いよいよカット開始です。カット前のシャンプーも人生初体験。人に頭洗ってもらうのって気持ちいいですね。
そういえば日本に住んでいた頃、美容院を見ては「あれ嫌だなー」いつも思っていた美容院特有の店内の様子が見れちゃうスケスケのガラス張りの壁ですが、台湾の美容院も日本と同様の仕様になっており、外を歩く通行人から中の様子は丸見えです。
ただ切ってもらい始めると案外気になりません。台湾の建物はスペースの問題で、大体がウナギの寝床みたいになっていて、客は奥の方に座ることになるので、通行人からほぼ見えないようになる可能性が高いです。
僕の母が現役だった頃はおそらく無かったであろう、パーマを掛けた人のための頭に被せる洗脳マシンみたいなのも初体験できて興奮しました。
昼ご飯の時間を跨いだら、なぜか担当の美容師さんが昼ご飯を買ってきてくれた
今回11時位に美容院に入ったのですが、13時か14時あたりでパーマ駅を浸透させるため放置タイムに入った頃でしょうか、美容師さんが「お腹空いてたらご飯買ってくるけど、いる?」と突然な質問をしてきました。
少しお腹が空いていたのですが我慢できるぐらいだったし、美容院でご飯食べるのは他のお客さんに失礼じゃないか…と思ったので「あんまりお腹空いてないから要らないよ!」と言って断りました。
ですがしばらく経ったら、美容師さんが「ほんとはお腹空いてるでしょう?」と笑いながら、熱々のスープに入った麺を僕にくれました。無料サービスです。
日本もご飯の時間跨いだらこんなサービスあるんですか? いやー日本だと食べ物の匂いなどの問題で他のお客さんに迷惑ってことで無いだろうなぁ。
とても嬉しかったんですが、パーマ液が滴る頭部を気にしながら麺を啜るのはなかなかハードでしたね。ちなみに僕がご飯を食べていても他のお客さんは一切気にしていない様子でした。
さて料金は
さぁお腹も髪型もばっちり仕上がり会計です。外に書いてあった料金表だと、シャンプー(150元)・カット(300元~)・パーマ(1500元~)とありましたが(台北の美容院の相場は大体このくらいの値段)、果たしていくらになるのでしょうか。
学生という立場をフル活用するため、髪を切ってもらっている時に学割が有ることは確認済みなのですが、2000元くらい行くことは覚悟の上です。
どきどきしながら「多少錢(いくら?)」と尋ねると、シャンプーとカットとパーマ全て込みで1000元(約4000円)でした。安いですね。(ちなみに髪をカットしてもらってる時に「ついに1元(台湾ドル)=4円突破!」みたいなニュースが流れてきました。つらい。)
レシートを貰ってないので、学割が効いているのかそれとも初回サービスの料金なのか内訳などの料金に関する細かいことは分かりませんでした。
まさかのアフターフォロー
会計のとき名刺と割引券をくれたのですが、名刺に担当の美容師さんの個人LINEが書いてあって「今日のカットとパーマに何か問題あったら、いつでもここに連絡してね!」と言われました。
もちろんこのLINEで次回の予約も出来ちゃうので、次回の予約連絡の際「あんた誰だっけ?」ってならないよう「今日は格好良い髪型にしてくれてありがとうございました。」とお礼の連絡を入れてみたらそのまま雑談が始まり、台湾すごいなって改めて思いました。何だこの距離感。
日本の美容院行ったことないので毎回聞きますが、日本もこうなんですか!?いや「美容師がホットペッパーから女性客の個人情報を盗用しLineでナンパ」ってニュースあった限りそれは無さそうですね。
まとめ 日本人の僕からすると、台湾の美容院はやたら距離が近かった
さて、担当してくれた美容師さんとのLINEでのやりとりは、髪を切って1週間ほど経った今もなぜか続いております。
台湾人と接するといつも思うのは、初対面だったり会った回数が少なかったりしても、日本人同士とのやりとりと違い、精神的な距離を近づけてコミュニケーションを取るということです。
中国語は日常で使用するものは日本語ほど堅苦しうないこともあり、日本では会って間もない頃に相手に深入りするような言動をとるとマナーの悪い奴(空気の読めない奴)と捉えられることが、台湾人の性質について感心する機会が多いことに繋がっているわけですね。
今回は、美容師と客という関係、それ以上にはならないと思っていた僕の美容院に対する先入観を、台湾の美容院に行ったらぶっ壊してもらい、台湾の温もりを感じることが出来た。という話でした。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。