ども、台湾在住で唯一の分かりやすい消費趣味が服購入のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
日本人の海外旅行先として人気上位に入る台湾ですが、オシャレ感度が高く他人の見た目にも敏感な日本人の皆さんが、もし台湾に来る機会があり街を歩く台湾人の様子を見たら、中にはこう思う人がきっといると思います。
「台湾人男性のファッションに対する意識はどうなっている?」
僭越ながら台湾人のファッションについて意見を言わせてもらうと、僕が初めて台湾に来た時と比べ、台湾人女性は服や髪型、化粧に気を遣う人が増えておしゃれな人が多くなったように感じます。
ただ台湾人男性に関してはおしゃれを楽しむ人口はそこまで増えていないという感想を抱きます。
そこで今回は台湾に住む日本人の僕が「台湾人男性のファッションはなぜダサいのか?」を真面目に考えてみました。どうぞご覧ください。
目次
「ダサい」の定義
まず「ダサい」という感覚は非常に抽象的であり主観的なものなので、はじめにこの記事においての「ダサい」を定義します。
ここでは何も考えずに自分の服や髪型などを選択し、そのファッションが時代・トレンド・TPOとミスマッチを起こしてしまっている状態を「ダサい」とします。
変わりゆく社会と人々の考えの中で否が応でも押し出されて生じる感覚であり、見た目が醜い=ダサいではなく、格好良いの対義語が「ダサい」ということではないことは念押ししておきます。
外国人から見る台湾人男性のファッション
次に上記定義を踏まえた上で台湾人男性のファッションについてざっくり説明していきます。
日本人の感覚からすると、台湾人男性は「寝起きでそのまま出てきたのかな?」と勘違いしてしまいそうな、スウェットorジャージ素材のハーフパンツにTシャツという装いでどこまでも行けてしまう人がとても多いです。(寒い日はこの装いにダウンジャケットを羽織る)
つまりダサく見えてしまう台湾人男性のファッションは
- その辺に転がっていた服を適当に身につけたように見える服装
- 時と場所、場合に応じた服装の着分けを考えていない
この2点が要因になっていると考えます。
台湾人女性の中でも、基本的に台湾人男性にはオシャレな人は存在せず、もしオシャレな台湾人男性がいたとしたらその人は“金持ちの遊び人”か“ゲイ”という通説があるくらい、ファッションに気を遣っている台湾人男性はレアな存在なのです。
台湾人男性のファッションがダサい理由6つ
1. 他人への無関心さ
台湾の街を歩いていると気づくのですが、台湾では人とすれ違う際、日本のように注視されるようなことは滅多にありません。
日本人は他人をまるで自分のことのように意識しすぎているとも言えるのですが、台湾人は自分と関わりを持たない人間に対しては無関心の人が多く、良く言えば多様性を受け入れてくれます。
よっぽど変な格好をしてない限り好奇の目で見られることがなく、また台湾人男性達自身も関わりのない人をそういった目で見ることが少ないと考えられるので、“人から見られる”という視点で自分のファッションを見つめ直す機会が少ないのではないかと考えられます。
2. 気候・天気
冬は数週間ほど非常に寒い期間もありますが、やはり台湾は1年を通して見ると暑い日が多いです。
僕もこの暑い台湾で数年暮らしてみて実際に思うことですが、年中暑いと段々とファッションに気を遣う気持ちが奪われていきます。
更に空気もあまり良くないので雨が降っている時に外を歩けば、真っ黒な水が地面から洋服に跳ね上がり、一張羅は即台無しになります。
また通勤や遊び、ちょっとした足代わりにバイクに乗って頻繁にヘルメットを着用する関係で凝った髪型にも挑戦しにくいでしょう。
これではファッションを楽しむ文化が育ちにくく、機能性を重視した汚れても気にならない服を選ぶ傾向が強まるのは必然だと考えます。
3. オシャレの基準の違い
台湾は日本と同じ東アジアに属する国ですが、日本とは少し異なるベクトルで欧米の影響を受けていて、それがファッションなどに反映されている様子が垣間見えます。
ファッション面で言うと「筋肉を鍛えて美しい肉体があれば白T×デニムでOK。あとは高めのハイテクスニーカーを履けば最高に格好良いと思ってますが何か?」
街を歩く台湾人男性からはこういった空気がビシビシ伝わってきます。つまり筋肉あってこそのファッションです。
ちなみにこんなトピックで記事を書いている僕も、服で見た目を取り繕うことに腐心するより、まずはベース(肉体)へ投資しようという考えには同意です。
4. 服屋に置いてあるメンズ服が格好悪い
台湾の服屋のメンズコーナーに入ってみると分かりますが、置いてある服やディスプレイがどうにも「ファッションを楽しもう」という気分にさせてくれないのです。
服のバリエーションも日本のメンズ服のラインナップと比べると単調に見えます。
同じファストファッションのお店でも日本と台湾では品揃えがかなり異なっていて面白いので、興味がある方は台湾に来たらUNIQLOやZARA、H&M等に入ってみてください。
5. ファッションにかけるお金がもったいない
台湾の勞動部によると月の最低賃金は2万4,000元(2021年1月1日時点)であり、中には日本円にして8万円代の月収で働く人もいる台湾です。
その限られたお金の中でやりくりするとなると、生活するための優先度が低いファッションにお金をかけるぐらいなら、台湾社会で重視される車や家の購入、または趣味や好きなものを食べるため、恋人やパートナーに喜んでもらうことにお金を使いたいと思う人が増えるのは当然の流れでしょう。
逆に言えば日本人はオシャレかどうかはさておき、男女ともにファッションにお金をかけ過ぎている人の割合が多いとも言えます。
6. 美意識が育ちにくい環境
僕が数年間の台湾生活を通し、まがりなりにも台湾を見てきた率直な感想ですが、特別な環境で育たない限り、おそらく台湾人が台湾に生まれ日常で触れていくものが美意識を育むことを難しくしているのではないかと考えています。
個人経営店の看板・メニュー、ちょっとした張り紙、歩道の状態、配線処理など細かいところを見ていけば気になる点は尽きませんが、至る場面で美しさとは距離を置いた状態になっているものが多く感じます。
もちろん中には素敵なものもありますが、最低限機能するかしないかだけを考えて場当たり的に用意されたように感じるものも多く、こういった環境はファッションにも影響を与えている遠因と考えます。
最後に
台湾人男性のファッションがダサい理由について色々偉そうに書いてみましたが、最初にも書いたように「ダサい」という感覚は非常に抽象的であり主観的なものです。
そもそも台湾人の中に日本人男性のファッションをダサい、時代遅れと感じている人も少なからずいるので、ファッションに対しての評価基準は環境・文化・背景などでいくらでも変わります。
今回は台湾に住むひとりの日本人男性の目線から、なぜ台湾人男性はおしゃれを楽しむ人口が少なく、ファッションがダサいのかその背景や理由を掘り下げて考えてみたかったという話でした。
個人的には、台湾人男性は日本人と比べ平均身長も高く体格も良い人が多いのでポテンシャルは高いと思っていて、だからこそ現状の台湾人男性のファッションを楽しむ意欲の低さは少しもったいないと感じています。
ただ台湾人男子がオシャレという武器まで手に入れてしまったら、我々日本人男性の優位性がひとつ失われてしまうことも意味しているので、ファッション以外の面で日本人男性とは異なる魅力を持つ台湾人男性の在り方も続いていってほしいなとも思っています。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。