ども、かつて30歳を目前に日本で働いていた会社を辞めて台湾語学留学へ臨み、現在台湾に住んでいるナカジマチカ(@nakazimachica)です。
既に社会人として働いている方の中には、台湾が好きだから中国語を学びに台湾へ留学してみたい、もしくは今は資金が足りないけどお金が貯まったら台湾へ留学してみたいと計画している方もいると思います。
けど一方で「現役の学生の年齢じゃないと周りに馴染めるか不安…」と二の足を踏んでいる方もいるかもしれません。
「そんな小さいことを気にして自分の目標が揺らぐなら留学はしなくてもいいんじゃない?」と言いたいところではあるのですが、実際社会人を経験してからの留学をした僕からすると、社会人になってからの海外留学は悪くないです。
そこで今回は、学生を卒業し社会で培ったアダルトな魅力をポジティブに捉えていただくため、社会人を約7年経験してから台湾へ留学した三十路の僕(2015年11月13日現在)が、社会人経験後の留学がどう有利に働くのかを具体的に、そして必死にアピールしてみたいと思います。
社会人を経験してから台湾へ留学して良かったと思えた理由3つ
01. 学ぶことに対しての意識が変わっている状態で臨める

そもそもなぜ小さい頃から学校へ学んで様々な学問をを学ぶ必要があるかというと、受験やテストのためという要素を取り除いた場合、僕は下記の3点が大きいと考えております。
- 自分のやりたいことや好きなことを探すための最低限の知識を得るため
- 多様な視点や価値観を持つため
- 社会に出た時に不利にならないようにするため
高校生くらいまでは1が一番大事だと思いますが、社会人になると2,3をより真剣に考えるようになり、勉強するという行為が「受験やテストのために暗記して頭に詰め込む」から、学習したことがそのままダイレクトに血となり肉となる感覚に変わります。
社会人になり自分が今やっている事以外を学ぶことが必ずしも強制ではない環境に置かれ働くことばかりに専念していると学生時代はあれだけ嫌だった勉強が結構楽しくなるんですよね。
例えば中学校から始まるあんなに嫌だった英語の授業。ところが一度旅行かなんかで外国へ行き現地の人と触れ合ったら途端に「あぁ~英語勉強したいな~」ってなることがあるじゃないですか。しかも同時に「外国人と英語でコミュニケーションをとる」という学ぶことへの明確な目標もできたりします。
学校を卒業して一定期間仕事に従事した経験は「勉強とは何か?」を考える機会を与えてくれ、留学に対する姿勢を良い方向に変えてくれます。
02. 比較的良い条件下で留学費用+αをしっかり貯めることができる

会社員の給料が全く上がらず可処分所得はどんどん減っていると言われている日本社会ですが、なんだかんだで会社員になれば、アルバイトで働いてた頃に得ていたお金とは比べ物にならないくらい自由に使えるお金がいっきに増えます。
もしアナタが既に台湾へ1年間住むことを計画しているなら、「やったぁ~給料でお金たくさん! 遊ぼ~! ぴゃ~」ってなるところを一度踏みとどまってください。
またもし実家で生活しているなら、ひとり暮らしは我慢してとりあえず実家にもう3年ほど居座ってお金を貯めましょう。既に住む家がある場合、家賃や引っ越しに掛かる費用はとっても痛い出費になります。
僕のケースで言うと、社会人2年目の時に家賃ひと月6.5万円の家を借りてひとり暮らしを始めたわけですが、その時にいくら掛かったか分かりますか?
既に「初めてのひとり暮らし」を経験された方はご存知かと思いますが、家賃2ヶ月分先払い:13万円、敷金:6.5万円、礼金6.5万円、不動産会社へ仲介手数料として6.5万円、加えて諸々の手数料、引越し代、必要な家具・家電の購入でいきなり40万円近くのお金が吹っ飛びました。
その後の生活は、毎月の固定出費が諸々合わせて10万くらいに登ります。もしお給料の手取りが18万くらいだとしたら、手元に残るのは8万円です。そこから更に交際費として2,3万は飛ぶかもしれません。
これが実家住まいなら手取り18万だとして、家へ毎月4,5万お金を入れたとしても丸々13,4万手元に残ります。ボーナスが1年に2回、1〜3ヶ月分でも出れば更に余裕が生まれ、適度に遊びながら1年100万ペースで貯金でき、おそらく3年で300万は余裕で貯まるでしょう。
僕の試算では1年間台湾(台北)に滞在した場合の必要資金は、学費や生活費、飛行機代やビザや必要な物の購入など諸々の初期準備もひっくるめて大体220~250万円と踏んでいるので、300万円あれば台湾留学資金は余裕で賄えます。
残ったお金はどうするかと言うと、こちらはゆとりを生むためのツールです。2年で200万程度貯めてすぐ台湾へ発っても良いとは思いますが、1年生活を終えた時ほぼ一文無しなのと数十万残っているのじゃ心の余裕がかなり変わってきます。
それだけあれば日本へ帰ったとしても次のことを考える時間を作れますし、もし台湾にもう少し滞在したいと思った時もプラス半年ぐらいは台湾生活を延長することができるしょう。滞在中に新しい目標が出来たとして、それが少しお金の掛かることだった場合でも必ず助けになります。
03. 日本社会における経験値や知識を蓄える機会がある

実際は会社でそこそこ良いポジションに就いてる4,50歳くらいのおっさんでも頭の中は大学生と同じような価値観・判断能力しかないこともあるんですが一般的な話をします。
会社員になり仕事をしていると、どうしても外の色々なことに興味や関心を持って生活しないといけなくなる事があります。
今まで生活のメインステージだった学校とは違い、同じ空間にいるのは自分とは異なる経歴を持った年齢もバラバラの人達です。彼らの考えや行動は当然それぞれが大きく異なる個性を持ち、自分に与える影響も少なくはないはずです。
また業種が営業だったりすれば、顧客との良い関係を築くために日頃からお客さん達の好きそうなネタを、仕事に直接関係ないところから幅広く仕入れる努力もするかもしれません。
何が言いたいかと言うと、当たり前ですが中国語やその他外国語を勉強したからといって急にコミュニケーション力が上がったり、表現力が増すわけではありません。
世の中にある色々な物に興味を持って、自ら学び、それを実際に体験したりしなければ、中身のある美しい言葉を自分の口から発することはできません。例えそれが母語だろうが後から覚えた言語だろうが経験や知識、感性の上に成り立つのが言葉です。
また、こちらの学校生活で驚いたのは自分自身の意見をとにかく聞かれること。特に自国の社会的なことについて、日本人として日本のことを語る場面は多いです。そしてその問いに対して淀みなく自分の考えを発表できる他の国から来た20歳前後の若い学生たちにも驚きました。
今思えば自分も彼らと同じようにしっかり意見を発表できたのは、会社員として働くようになったと同時に曲がりなりにも日本社会を動かす一員となって、積極的に日本社会を知ろうと努めた経験があったからこそだと思います。
日本の大学生と同じクラスになると分かりますが、自分の意見をスラスラ言える大学生は決して多くないです。僕自身も彼らと同じ位の年齢の時は、世の中で起きていることに興味を持てず、知らない・分からない事に対しては少し斜めに構えることしかできなかったような気がします。
という過去の反省も含め、今言ったこれら全ては自分への戒めでもあります。僕は台湾に来て中国語を学び始めて、日本で経験したことを通じて得る歴史を含め母国への理解や知識量の重要性を深く再認識しました。
台湾と日本の歴史を学ぶために読んでおくと良い本
最後に
一応付け加えておくと今回の話はあくまで僕のような一般人のケースです。(当然若い頃から努力して習得した自分の能力でバリバリお金を稼いだり色々な経験を積んでいるような素晴らしい人は別。)
留学目的が中国語を喋れるようになるということ以外に何かあるのでしたら学生の段階で行っても問題はないかもしれませんが、台湾留学は仕事をしてゆっくりお金を貯めながら、日本と台湾についての理解を深めてからでも全然遅くはないと思います。
僕は、台湾が好きで中国語を学びたい人に関しては、既に社会人として働いていても留学へ臨める条件を整えられそうでしたら、年齢という点で気後れせず飛び込んでいって欲しいと思っています。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立。台湾で10年間暮らした後本帰国し、現在は神奈川を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。
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