滞在はもう少ししていきますが、これにて1年間の台湾留学終了でございます。振り返ってみると色々あったような無かったような。
日本の会社を辞めて台湾現地で生活してみるついでに学校で中国語を学ぶという判断が、僕の人生においてベストな選択だったのかどうかは分かりませんが悔いは残っていません。
それでは今回は11ヶ月目の上達度報告に書いた予定通り留学1年間の総まとめをしていきたいと思います。どうぞご覧ください。
で、1年間の台湾留学の成果はどんな感じよ?
よく言う「日常会話レベル」という奴
1対1なら(たまに知らない単語を質問しながら)会話は成立できる。台湾人複数対自分はちょい厳しくて話の流れを追うので精一杯。というのが正直なところの僕のレベルですかねぇ。
少し話題は変わるんですが、こちらで仲良くさせてもらってる日本人の方との飲みの場で何回話題に挙げたか分からない、ある意味僕(達)の台湾留学におけるバイブル的な存在になっている台湾他力留学記というブログがあります。このブログをご覧になっている皆様の中にもご存知の方はきっといらっしゃるでしょう。
このブログの愛読者である僕は「中国語を日常会話レベルで話せるようになる」ということに相当ハードルを上げてこの留学に臨んだわけですが、1年間の留学を終えた今、その心配を他所に自分が想像していた最悪の地点なら飛び越えることが出来たんじゃないかな…!?と胸を撫で下ろしながら思っています。
仕事で使えるレベルの中国語に達しているのか?
僕は台湾で中国語を使う仕事に就くことに対しては今のところ興味はないのですが、もしその何らかの偶然と縁が重なって、中国語を普段から使う台湾にある会社に就職したとしたらの想像の話をします。
言葉だけじゃ厳しいだろうけど「こんな言葉も理解できないのか!?」ってめっちゃ怒られながら、ジャスチャーや筆談などを駆使して、くじけぬ心があればなんとか出来るんじゃない…?とか甘く考えてます。(クビになる可能性はおいといて)
日本で仕事をしたとしても入社したての会社では分からない事や単語は沢山ありますし、仕事に関しては慣れと経験が最終的に重要になってくるのは、国内だろうが国外だろうが一緒なんじゃないかと思っています。
周りの人からの評価など
日本人との交流を避けていたわけではないのですが、これは留学前の想像通り台湾生活において日本語を使う頻度は確実に低かったです。そして自分なりに中国語を使う機会を作ってきました。
そんな中、台湾人及び中国語を公用語として使う国の人からよく言われることはやっぱりアレですよね。「你的中文講得不錯! … あなたの喋る中国語は素晴らしい!」ってやつ。
これは外国人が「こんにちは~はじめまして~」と独特のイントネーションの日本語でフレンドリーに話しかけてきたら、それしか喋れなくても「おお!すげぇ!」って思っちゃうのと一緒で、褒めてもらえるのは嬉しいけどそこまで気に留めてませんでした。
その他この1年間で台湾人、その他台湾で中国語を勉強している外国人からよく言われたのは
- 「◯ヶ月でそんなに喋れるようになるの?」
- 「どこで勉強すればそんなに上達するの?」
- 「当然台湾に来る前に学校で勉強してたわけだよね?」
- 「えーと…香港人?中国人?」(台湾滞在後半は中国南部出身とよく間違えられた)
- 「親は華僑?」
などなどの中国語を褒めてくれているであろう言葉を沢山頂いてきました。これらはお世辞じゃなかったと思って前向きに捉えたいですね。
けど1年間で充分かと聞かれたらそんなことは無い
一般的に「中国語がそこそこうまい」と思われるレベルに達するには2年くらい必要らしいです。
ですが、そもそも語学は突き詰めていくと、1年勉強しようが2年勉強しようが5年勉強しようが「これでもう充分」という最終地点みたいなものは存在しないという答えに辿り着くはずです。それは母語でも同じことが言えるでしょう。
外国語の能力を継続的に伸ばしていこうと思ったら、一生そのその言語を使い続けて日々新しい言葉や文法を吸収し続けることが必須となってくると思います。僕の中国語学習はここからが本番ということですね。
これから台湾留学をしようとしている人に中国語能力を上げるためのアドバイスをするとしたら
留学前に準備はしておく
前もどこかに書いたかもしれませんが、多少準備している状態と0から始める差は結構大きいです。
何事も0→1を創りだすのは難しいじゃないですか。それが例え1でもあれば10まで、そして100までと伸ばせるスピードは格段に変わってきます。
まずはスタート地点に着いて走る姿勢を整えましょう。いつでもスタートを切れる姿勢を取った人は誰かが準備運動をしている時に、自分なりにこの道をどう走ろうかいち早く考えることができるわけですから準備は早すぎても損はしません。
個人的にやった方がいいと思うのは、中国語の映画やドラマなどを観て耳を中国語に慣れさせておくこと。生活に最低限必要なフレーズもついでに学べるはずです。
ただ発音や声調に関しては話が別で、変な癖がついてしまうと後に響くのでネイティブの先生から0からしっかり学んだほうがいいです。
話すのが苦手な人は自己紹介や自分の好きな事を体系的に語れるようにしておく
これは母語及びコミュニケーションの問題でもあるのですが、あまりお喋りが好きじゃない人は当然ながら(ある程度の段階までは)喋れば喋るほど伸びていく語学勉強においてハンディキャップを常に背負っている状態です。
で、実はそれは僕にも当てはまりまして、初めて会う人によく「話しやすい」とか「社交的ですね」とか言われる僕なんですが、ベロッと皮を一枚めくると実はそこまで口数は多くなく適度に人見知りもします。
以前Twitter上でコミュ障は3タイプいるというツイートを見かけた事があるのですが、まさにこの中の「3」です。初めて会う人と約束があった日は余計なことを喋りすぎていなかったか、その日の夜に布団の中で反省会をしすぎて眠れなくなるタイプです。
そんな僕でもそれなりに中国語力が上がってきて、簡単ではあるけど考えていることをそこそこ口に出すことが出来るようになってきた時に更に口数を増やせるようにやっていた事が1つあります。
それは「よく使うセンテンス」「自己紹介」「自分の興味のあること」を一度文章に起こしてそれを丸々暗記です。チャンスがあればその文章を学校の先生に見てもらって、文法的に正しいか確認してもらったりもしました。
そして、その覚えたフレーズを普段の生活の中でバンバン使います。頻繁に使用することで定着率も上がりますし、どんどん流暢に話せるようになります。更にその覚えたフレーズ達を組み合わせて使うことで話せる内容も段々増えていきます。
つまりここで言いたいのは話すことなくして語学能力向上はないということです。というわけで話すのが苦手な人は最低限上に挙げた3つだけでも日本語でも中国語でもしっかりと話せるようになっておくと語学力向上の上で必ず役に立ちます。
台湾に来たら環境を活かして常に中国語に触れる
外へ出てご飯を食べるのはもちろん、映画を観に行ったりカラオケに行ったりボーリングに行ったり、台湾国内旅行をしたり、美容院で髪を切ったり、風邪を引いたら病院へ行ったり、とにかく生活のあらゆる面で台湾人及び中国語と接する機会を作ってください。
学校と家の往復、コンビニや注文票に記入すればご飯が出てくるお店でお腹を満たす生活じゃ勿体無いです。(語学センターの先生曰く、そういう生活をしている人は結構いるらしい。)
せっかく台湾に来たんですから台湾の世界に飛び出しましょう。
現地の台湾人と沢山知り合って沢山遊んで、できる限り中国語を使う
学校の授業に真面目に出て座学で下地を作るのは当たり前で、その上で必ずやって欲しいことはやっぱりコレですね。
そして可能な限り日本語が全く話せない台湾人と遊んでください。相手が日本語を出来てしまうと最終的に日本語に逃げてしまいますので練習になりません。
最初の方は全然会話が成立しなかったりして、申し訳ないなぁという気持ちから相手に遠慮して閉口してしまったりしますが、友人関係なら会話が上手くいかないからといって気を悪くする台湾人はほぼいません。むしろこちらが遠慮したり分かったフリをする方が怒られます。
現地の台湾人と接触することを恐れずコミュニケーションを粘り強く続けてください。その内段々と意思疎通度が上がってきます。
台湾人との知り合う方法ですが、一人でも台湾人の知り合いが出来れば台湾はそこを起点に更に広がっていくので、とりあえずまずは一人知り合いを作りましょう。
また語学センターなどに通っている場合は、クラスメイトが既に台湾人と交流を持っている場合もあるので、一緒に遊べるチャンスがあったら逃さないようにして欲しいなと思います。
自力で台湾人の友人を作りたい。という方については過去に台湾人との知り合い方を色々書いてるんでそれを参考にしてもらえれば。女性にフォーカスしていますが男女ともに使えるはず。
若干内容が重複している部分もありますが、その他に僕が中国語を上達させるためにやったことを詳しく下記の記事でまとめました。人によって合う合わないは勿論あるかと思いますが、興味のある方は是非ご覧ください。
留学生としての台湾生活はどうだったか
台湾師範大学の語学センターに対しての個人的な評価
この学校にしか通っていないので別の学校との比較は出来ないんですが、個人的には総合的に見て良い語学センターだったと思います。
僕のように初めて海外で留学する場合は不安も多いと思いますが、日本語を華麗に操る方が校内にいますし、学生へのサポートも積極的にやってくれます。
実際授業が始まってみれば、1年間の在籍の中で「うわっ…」って思った先生は一人しかいませんでしたし(その直後にクラス変更しましたが)、先生の質は全体的に高いです。
あとは台北のほぼ中心とも言えるほど立地が良いですし、発達した台北の交通機関のおかげで放課後は他の場所へ遊びに出やすいです。
問題らしい問題といえば、立地上、学校の周りに住む場合は少し物価が高いことと、台湾師範大学の語学センターは日本人の学生が非常に多いのですが、これをメリットだと思うかデメリットだと思うかが判断の分かれ目になると思います。
サラリーマンを経験し、30歳前に学生として再スタート
やはり年齢がある程度いってると留学前に「他の学生たちと馴染めるかなぁ」とかは誰もが考えることですよね。
幸いにも僕は30歳にしては(見た目が若いというより)雰囲気がややガキっぽいので、20歳前後のピチピチたちに混じって「お、なんか自分浮いてるぞ!」ってなったことは少なかったです。(あくまで個人の感想)
日本人同士だと年長者を敬う意識が高めなことも手伝って、年齢が少し離れてると気にしちゃう人も多いんですが、外国人は全く気にしない人が多いです。
こちらが「若いねぇ」みたいな感じで距離を置いてしまうと、どんどん人が離れていくのは各国共通です。逆に積極的に自分を出していけばみんな受け入れてくれるはずです。自分の意見がある時は遠慮せず言っていきましょう。
中国語という共通言語を使って各国から来た友人たちと意思疎通を取り、日本人の友人達と話すような話題についてお喋りしたり海外の生の様子を知ることが出来るのが、台湾現地の学校で中国語を学ぶ上でのひとつの大きなメリットです。
国際恋愛とか
台湾現地で暮らして、更には様々な国から来ている学生が集う学校に通っていれば、そりゃもう日本人以外の方々と出会う機会もめちゃくちゃあるわけで、時には恋に発展することもあります。
そういや1回も今まで触れてこなかったですねこの話題。他人を観察して思ったことは色々書き散らかすくせして自分の現状については一切触れないスタンスごめんなさい。
時には「ビザを維持するために将来の伴侶となる台湾人女性を…」とか邪推なことを考えて、せこい考えの自分に対して急に気持ちが暗くなったり。正直なところそれ抜きでも台湾人の中で好きになれるような人がいなかったのは確かなんですが。
だから「1年間の台湾生活の中でやり残したことはなんかある?」と聞かれたら、それは間違いなく台湾人との交際でしょう。こればっかりは自分がやりたいと思ってできることではありませんし、すぐ実現というわけにはいきませんでした。
一応最後なので包み隠さず話をしておくと、台湾人・その他外国人問わず追ったり追われたり等は、実はなんだかんだあったんですよね。(中学生かな)
普段こういう自分の色恋沙汰に関しては、聞かれない限り積極的に人へ話さないんですが、そこはやっぱりめっちゃ親身になってくれる外国人の友人達ということで、話の流れでそれを相談せざるを得なくなったりしてアドバイスを貰ったりね。
国によって恋愛に対して本当に色々な考え方があってそれを聞くのは非常に興味深く、僕に多様な価値観、新しい気付きをもたらしてくれました。海外での実践経験を通して新しいレイヤーが見えた気がします。
最後に
あ、なんだか最終回っぽい雰囲気になっていますが、本ブログはテーマを台湾及び台湾留学のみに限定しているわけではないので今後も続けていきます。
台湾を離れるので仕方がないのですが、内から見た台湾はいったんひと区切りとなります。今度は自動的に外から見た台湾などについても書けるようになるので、台湾関係の記事は頻度は下がりますが継続的にアップしていく予定です。
ということで台湾以外の事について書く機会が増えていくと思いますが、今後ともどうぞ「ナカジマチカ」をよろしくお願いします。
- 台湾師範大学で中国語を学んで2ヶ月が経過したので、中国語の上達度を報告します
- 2ヶ月→3ヶ月の変化は横ばい。台湾師範大学で中国語を学んで3ヶ月が経過したので、中国語の上達度を報告します
- 新学期(2学期目)が始まりまして。台湾師範大学で中国語を学んで4ヶ月が経過したので、中国語の上達度を報告します
- 聴力に少し変化が出た気がする。台湾師範大学で中国語を学んで5ヶ月が経過したので、中国語の上達度を報告します
- 居留ビザ申請を通して普段考えないことを沢山考えて喋った6ヶ月目。台湾師範大学で中国語を学んで6ヶ月が経過したので、中国語の上達度を報告します
- 宿題に追われる日々。台湾師範大学で中国語を学んで7ヶ月が経過したので、中国語の上達度を報告します
- 中国語が好きになってきた。台湾師範大学で中国語を学んで8ヶ月が経過したので、中国語の上達度を報告します
- 忍び寄る母語の影響と軌道修正。台湾師範大学で中国語を学んで9ヶ月が経過したので、中国語の上達度を報告します
- はじめてのレギュラーコース。台湾師範大学で中国語を学んで10ヶ月が経過したので、中国語の上達度を報告します
- ちょっと気持ちが沈む11ヶ月目。台湾師範大学で中国語を学んで11ヶ月が経過したので、中国語の上達度を報告します
- 台湾留学1年間の総まとめ!台湾師範大学で中国語を学んで1年が経過したので、中国語の上達度を報告します
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。