ども台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
台湾は2020年3月に新型コロナウイルスの水際対策として海外からの入国制限が始まりましたが、それから約2年半、2022年10月13日をもって海外からの入国時の隔離措置がなくなり観光が解禁となりました。
さて、観光は開放されましたが台湾に住んでいる自分でさえこの約2年半で様々な台湾の変化を感じており、観光もコロナ以前と全く同じというわけにはいかないことが予想されます。
台湾へ久しぶりに来た方は現在の台湾(2022年11月20日時点)に対して一体どんな感想を持つのでしょうか。
今回コロナ流行以前によく台湾へ来ていた友人がちょうど台湾に滞在していたので時間を作ってもらい、今の台湾の雰囲気や変化などについて個人の感想を聞かせてもらいました。どうぞご覧ください。
質問内容一覧
- 最初に自己紹介をお願いします。
- 台湾観光が解禁されるまでの間はどのような思いで過ごしていましたか?
- 久しぶりに台湾へ足を踏み入れた瞬間、どんな気持ちになりましたか?
- この約1ヶ月間で台湾を満喫されていると思いますが、食べたものや訪れた場所などを教えてください。
- 台湾へ行けない間も台湾に関する情報を目にしていたかと思いますが、今回の台湾渡航にあたって何か不安に感じていたことなどはありましたか?
- 不安に思っていたことは、実際台湾に来た後Yさんの目にはどう映りましたか?
- 物価以外に前回(2019年12月)台湾へ来た時と比較して変化した点などはありますか?
- 台湾では外国人観光客に対し親切な方も少なくないですが、以前と比較してYさんに対する台湾人の態度の変化などは感じましたか?
- 台湾では外出時もマスク着用などの防疫対策が現在も行われています。台湾人の感染に対する警戒心は感じましたか?
- 今後もコロナ流行以前と変わらず台湾へ遊びに来られますか? もしそうであれば今の台湾を旅行する魅力を教えてください。
- 最後にこれから台湾へ旅行に来る方へ何か伝えたいことがあれば一言ください。
最初に自己紹介をお願いします。
Y(仮名)と申します。自営業で働いていて以前は仕事及び観光などで度々台湾へ来ていました。
実は2021年5月にも一度仕事で台湾を訪れていて、当時は水際対策として入国後2週間の隔離があったんですが、隔離期間終了直後に市内感染が拡大し警戒レベルが上がってしまい、外出してもお店や施設は縮小営業、誰とも会えない(会ってくれない)状況になり、時間も限られていたのでほとんど何もせず台湾から帰ってきた。という苦い過去があります。
その不運の訪台を除くと、今回は実質約2年10ヶ月ぶりの台湾です。既に台湾に来て1ヶ月ほど経っており合計で2ヶ月間滞在する予定です。
旅の目的は主に仕事の打ち合わせ、そして仕事の合間に台湾観光を楽しむことです。
台湾観光が解禁されるまでの間はどのような思いで過ごしていましたか?
コロナウイルスが流行して台湾へ自由に渡航できなくなった最初の1年間は、台湾が恋しくて台湾の情報をくまなくチェックしていました。
ですが2021年に入ってからの情勢はいつ台湾に行けるか分からない、先行きが見えない状態が続いていたため、台湾のことを目にすると台湾に行きたいのに行けない悲しい気持ちが湧きあがってくるので、あえて台湾に関する情報を自分から遠ざけていたこともありました。
久しぶりに台湾へ足を踏み入れた瞬間、どんな気持ちになりましたか?
楽しみにしていたはずなんですが、ワクワク感よりはなんとも言えない不安がありました。
また突然自由に渡航できなくなったら、台湾入国後に再び警戒レベルが上がってあの時(2021年5月頃)のように自由な行動ができなくなってしまったら…などが脳裏によぎりました。
ただ同時に自由に入国できるようになったことで仕事などの面で今後に対しての希望も持っていました。
この約1ヶ月間で台湾を満喫されていると思いますが、食べたものや訪れた場所などを教えてください。
食べたもの
牛肉麵、炸醬麵、麻醬麵、排骨飯、炒飯、溫體牛火鍋、米粉湯、海菜吻仔魚湯、小籠包、炒海瓜子、炸豆腐、臭豆腐、蚵仔煎、紅燒肉、空芯菜、地瓜葉、豆干、粉腸、菜卷などです。
あと台湾のマクドナルドや日本風ラーメンもいただきました。
訪れた場所
滞在している場所が台北市なので、近くにある台北MRT中山駅付近のイルミネーション、永康街の近くにある日本統治時代の台北刑務所宿舎をリノベーションした榕錦時光生活園區、西門町のドン・キホーテを見に行きました。いずれもこの数年で新しくできたものです。
それから少し足を伸ばして、桃園にあるXpark水族館、樂天桃園棒球場(野球観戦)、Gloria Outlets、桃園市立図書館新総館(まだ開館していないので外観を見学)、北投の温泉にも行きましたね。
途中台湾南部にも行き、台南では台南市美術館2号館、元台南合同庁舎、旭峯號、高雄では三鳳宮、高雄流行音樂中心、下淡水溪鐵橋、旗津彩虹教堂、高雄燈塔、旗津天后宫、旗津老街、屏東では職人町、屏東縣青創聚落、屏東縣立圖書館、三平咖啡、海上教堂咖啡、屏東公園(屏東聖誕節のイルミネーション)、勝利里村、孫立人軍行館などを訪れました。
あとは現在の様子が気になり、過去に行ったことはありましたが士林夜市や饒河街夜市などの外国人観光客に人気の夜市にも足を運びました。
台湾へ行けない間も台湾に関する情報を目にしていたかと思いますが、今回の台湾渡航にあたって何か不安に感じていたことなどはありましたか?
やはり対台湾ドルで円安になっていることと、噂に聞いていた台湾の物価上昇ですね。
航空券を買う段階から、以前のLCC往復航空券が買えるのと同じくらいの金額がサーチャージ代だけでかかるようになっていて驚きました。
また、かつては滞在中に足りないものがあれば台湾で買えばいいかと思っていたんですが、今では現地調達の方が高くなる可能性もあるので、日本で用意できるものは日本にいる段階であらかじめ用意しておこうと思うくらい、物価に対しては不安がありました。
不安に思っていたことは、実際台湾に来た後Yさんの目にはどう映りましたか?
円安と物価高による旅費の上昇は想像通りでしたね…。
私はカフェへ行くのが好きなんですが、例えば2人でカフェに行き飲み物とケーキなどをひとつずつ頼むと500元くらいかかります。前回(2019年12月)台湾に来た時の500元は1,800円くらいでしたが、今の500元は約2,250円※1です。メニュー自体も全体的に10〜20元高くなったと思います。
こういった調子なので、以前の台湾ではそこまで深く考えずに消費ができましたが、今は何をするにしてもお金を気にするようになりました。
数日間の短期滞在なら費用面はそこまで気にならないと思いますが、私は今回約2ヶ月間と比較的長めの滞在なので余計に考えてしまいますね。
それに伴い台湾観光の魅力が少し減少しているなと感じます。台湾が大きく変わったのではなく物価上昇に加えて円安で経済的なメリットが失われているのが土台になっていると思います。
「安く行けて安く過ごせる台湾」ではなくなってしまった点が、以前と同じように台湾観光を楽しめない遠因になっているのかもしれません。
物価以外に前回(2019年12月)台湾へ来た時と比較して変化した点などはありますか?
街の様子
街を歩いている時に気付いたのがハイブリット車や電気バス、YouBike(新型)が増えました。あとこころなしか横断歩道を渡る時に車両が歩行者に道を譲ってくれるようになった※2気がします。
観光客は欧米系の人を以前より見かけるようになったような…。もしかするとアジア系の観光客がまだ少ないので目立つだけかもしれません。
お店の変化
QRコード決済に対応しているお店や、卓上のQRコードからメニューを見てそのまま注文・決済できるシステムを採用しているお店が増えていて、防疫対策を経て非接触型店舗への移行が加速している様子が見られました。
また、お店の公式SNS・LINEアカウント登録でプレゼント系のサービスも非常に増えましたね。
台北市街地にある施設やお店の種類で言うと、ジム、ペットショップ、無人店舗、タイ料理店を扱うレストラン等が以前と比べて増加したように感じます。
一方で外国人観光客が多く訪れる士林夜市では、アパレル関係のショップが林立していた通りでテナント募集中が目立つようになっていたり、飲食店に関してもお店がかなり入れ替わっているなど、変化が顕著だったのには驚きました。
台湾人の生活ぶり
前までは人が集まらなかったような値段が高めのお店でも今は客が多く入っていたり、ブランド品を身につけるようになっていたりと、以前より食べ物や持ち物にお金を使うようになっていると感じました。
これはコロナ流行中に海外旅行などが抑えられた分、消費がそこへ回っているのが一因かもしれませんね。
台湾では外国人観光客に対し親切な方も少なくないですが、以前と比較してYさんに対する台湾人の態度の変化などは感じましたか?
率直な意見を言うと若干冷たくなった気がしました…笑
台北の市街地にあるお店などではこちらが中国語を話せないことが分かると以前は英語で対応してくれる方も多かったんですが、先日レストランで注文した際、何かを中国語で訊かれて聞き取れなかったので「聽不懂 … 聞き取れません」と答えたら対応を諦められてしまいました。
おそらく外国人観光客が台湾を観光できない間にサービスを提供する方々が入れ替わり、以前より外国人対応に慣れてない店員さんがお店に立って接客をする機会が増え、その結果相対的に対応が冷たくなったと感じるのかもしれません。
もちろん全員がこういった対応になるわけではなく、親切な台湾人は相変わらず多いんですけどね。
台湾では外出時もマスク着用などの防疫対策が現在も行われています。台湾人の感染に対する警戒心は感じましたか?
台湾では現在(2022年11月20日時点)外出時は基本マスク着用で、特別な状況下ではマスクを外すことができることになっていますが、マスクを外しても良い運動中の方や公衆浴場内でもマスクをつけている姿をたまに見かけます。
MRTなどの公共交通機関でも以前より音量を抑えて会話をしている人が多くなった気もするので、警戒している人はまだ少なくないと感じます。
だから日本人が台湾に来てうっかり日本の感覚でマスクを外して外を歩いていると少し目立ってしまう印象です。
今後もコロナ流行以前と変わらず台湾へ遊びに来られますか? もしそうであれば今の台湾を旅行する魅力を教えてください。
為替レート次第ですね…笑、今回のお話の中でも何度か挙がっていますが費用面がネックです。
ただ、台湾には日本にはないような前衛的な建築物が多く、現在建設が進められている建物があるので、それらを見るのを楽しみに今後も台湾に来ると思います。
台湾旅行の魅力ですが、海外旅行初心者でしたら本当におすすめです。
日本と距離が近く、物価が上がったとは言えまだまだ比較的安価で楽しめますし、英語が通じるところも多い。そして人は親切だし治安も良いです。
最後にこれから台湾へ旅行に来る方へ何か伝えたいことがあれば一言ください。
ひとつ前の質問でもお話したように台湾旅行はおすすめです。
個人的な話になりますが、私が初めて海外旅行をしたり海外留学した時、やはりあらゆる面で不便を感じることもありました。しかし人々の営みの中に日本にはない素敵な習慣を見つけたり、日本の良さを知る機会にもなり、自身も精神的に成長することができました。
台湾は様々な魅力に加え、日本から一歩外へ出た視点から気付きを得たり、大事なことを再確認できる身近な場所のひとつだと思うので、こうしてまた自由に行き来できるようになった今、リピーターの方も初めての方も是非足を運んで欲しいなと思います。
最後に
以上、台湾観光が解禁されて久しぶりに台湾へ来た方が持つ、現在の台湾(2022年11月20日時点)に対する感想でした。
みなさんの想像と重なる部分もあれば、新たな発見などがあったのではないかと思います。
現在の台湾に対するひとつの意見として、これから久しぶりに台湾へ足を運ばれる方々の参考になれば幸いです。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。