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台湾で一人暮らしをする時の部屋の探し方や賃貸借契約までの流れ、注意点などを解説

ども台湾で何度か部屋探しをしたことがある、台湾在住のナカジマチカ(@nakazimachica)です。

台湾で生活する準備を進めるにあたり、書類さえ集めてしまえば手続きが完了するビザ取得などは比較的簡単ですが、最大の不安は何といっても住む場所の確保だと思います。

台湾人パートナーや助けてくれる台湾人がいる場合は話は別ですが、ひとりで一体どうやって台湾で住む部屋を借りればよいのでしょうか。

現状外国人が自分の力で台湾で部屋を借りる際、確実だと言い切れる方法はない上、台湾人の協力を得ないと難しい部分もあり、日系の不動産仲介会社を通して部屋を借りたり、国際宿舎・ゲストハウスなどに住むのを余儀なくされる人が多いと思います。

僕は運が良かったので、過去に2回台湾人が部屋探しをする時と同じ方法で台湾で部屋を探しましたが、2回ともほぼ自分ひとりの力で部屋を借りることができました。

今回は僕が実際に台湾で部屋探しを行った経験談などを交えながら、台湾(台北)で一人暮らし用の部屋を自分で探して借りる時の流れや気をつけたい事を紹介していきたいと思います。それではご覧ください。

目次

自分の台湾における部屋探しの歴史

カフェ

1. 語学留学時代(2015年2月〜2016年3月)

この時は中国語がほぼできない状態でしたが、運良く台湾人の友人が日本語ができる大家さんの所有する部屋を台湾の物件紹介サイト591で探し出してくれ、そこから自分でその大家さんに連絡を取り、内見から契約まで全て自分ひとりで進めました。

その時のことは下記の記事に書いておりますので良かったらご覧ください。

2. ワーホリ時代(2016年5月〜)

こちらは今住んでいる部屋です。前回の滞在時に中国語を1年間勉強した成果を試す意味で、日本語ができる大家さんに限定せず家探しをしました。当然住む家の選択肢は増えます。

不動産の仲介会社で働いた経験のある台湾人の友人と一緒に591を見て、台湾流の部屋探しのコツを教えてもらいながら部屋を見ていき、最終的に契約は自分ひとりで行いました。

このようにたった2回ですが、今回はこの2回の部屋探しの経験をもとに日本人がひとりで台湾で部屋を探す際、どう探せばいいのか流れやアドバイスなどを書いていきます。

部屋を探す際に用いる言語は、台湾社会で共通の言語として使われている中国語を前提に話を進めますが、中国語が話せない方でもなんとかいけるかもしれない手順を解説していきますのでご参考ください。

台湾における部屋探しの方法と契約までの流れ

台北駅前

1. ネットで部屋を探す

自分で部屋を探す時の一般的な方法は日本と大体一緒で、まずは591等の不動産紹介サイトで賃貸の部屋を探します。

大体の部屋は最低契約期間が1年間になっている(契約期間を満了できず退去する場合は違約金が発生する)ので、3ヶ月間〜半年間だけ住みたい人は貸出条件の「最短租期」をご確認ください。

ただ最低契約期間が1年に設定されていても、月の家賃を多めに払うなど交渉することで短期の契約に対応してくれる大家さんもいます。

2. 大家さんや管理会社に連絡して内見の予約をする

気に入った部屋が見つかったら同ページに書いてある大家さんか管理会社の連絡先に、お目当ての部屋に対して「まだ空きがあるか?」と「内見可能か?」の2点を確認を入れましょう。

また中には外国人の入居NGの大家さんもいるので、日本人であることを最初の連絡時に申し出ておいた方が後がスムーズになります。

電話番号しか公開していない大家さんや管理会社もいるので、日本に居て中国語が話せず、台湾に頼れる人がいない場合は諦めることになります。

内見のために大家さんへ送る中国語の文章は下記をご参考ください。

大家さんへ送る文章の参考例

○先生/○小姐 您好:
我是來自日本的○○,為了○月起在台灣留學,正在找房子,租期大約1年
我在591看到您出租的房子(https://部屋のURL),請問這房子還有空嗎?
若有空房的話,我想0/00至0/00,其中一天去看屋,謝謝

(日本語訳)
○さま
はじめまして、私は日本人の○○と申します。○月から台湾で留学をするために部屋を探しております。契約期間は1年を予定しています。
貴方が591で貸し出している部屋(https://部屋のURL)を拝見したのですが、まだ空きはございますか?
もし空きがございましたら0/00から0/00の間で内見希望です。よろしくお願いします。

返事がきて「部屋に空きがあって内見もOK」となったら、相手から下記の項目を確認の上、内見の約束を正式に取り付けましょう。

※内見の約束をしても良い条件の部屋は現地の台湾人も含めみんなが狙っているので、内見する日程前に他の人が契約してしまうケースは非常に多いです。

  1. 集合日時・場所
  2. 当日案内してくれる人(連絡を取った人とは違う人が案内する場合が多い)
  3. 当日の連絡先
  4. 契約の際に必要なもの

ちなみにもしこの連絡を取る段階で「返事がない」「こちらの質問に答えてくれない」「話が噛み合わない」等のコミュニケーションに不全感がある場合は、その大家さんや管理会社から家を借りるのは止めたほうが良いでしょう。

部屋を借りた後で何か問題が発生した時にすぐに対応してくれない可能性が高いからです。

3. 約束した日に内見をする

さて内見の約束をした日を迎えたら、待ち合わせ場所に向かって部屋を見せてもらうわけですが、ここでお勧めしたい部屋探しの段取りを紹介します。

もし、台湾で部屋を借りるのが初めての場合、計画した日程通りに契約に至らないリスクをできる限り下げるため、時間に余裕があれば実際に台湾に住み始めた時に内見の約束をするのではなく、住み始める少し前に台湾へ足を運び予め契約しておくのを検討してみましょう。

台湾行きの航空券を見てみる

やっぱり慣れない土地に来て、部屋探しを含めいきなり色々なことをやろうとすると結構しんどいです。そこでもし住む場所だけでも既に決まっていれば結構安心できますよね。

台湾の賃貸用の部屋

その他、内見の際に必ずチェックしておきたい事として、室内で見るべき細かい部分は日本と大体同じですが、日本と異なるのは大家さんが同じ建物の中に別のグレードの部屋を所有しているケースがあるので、その場合は他の部屋もついでに見せてもらいましょう。

こういった部屋はネット上に情報がまだ公開されていないことがあるので、運が良ければネットで見た部屋より少し小さいけど住むだけなら問題ない部屋が1,000元安く借りることができたりします。逆も然りで+1,000元出せば更に良い条件の部屋が出てくる可能性もあります。

4. 契約

内見させてもらった部屋を気に入ったら契約をしましょう。契約に至らなかった場合は1の手順に戻ります。

契約に必要な持ち物は内見の予約をする際に自ら確認する必要がありますが、基本的に台湾の部屋は下記の持ち物があればその場で契約が可能です。

台湾の部屋を契約する時に必要な物(一例)

  • パスポート(+コピー)
  • 台湾での連絡先 ※自分の連絡先とは別に学校や勤務先、家族や友人などの連絡先を求められる場合もある。
  • 敷金 ※通常家賃2ヶ月分。
  • 1ヶ月目の家賃

契約の際は取り決めなどの説明を受けると思いますが、それらの内容が書かれている賃貸契約書は必ず自分で保管してください。万が一何かあった時のトラブル防止に役立ちます。

また家賃の支払い方法、ゴミ出しの方法、そして電気代が別途請求の場合は必ず電気メーターの設置位置と初期値、電気代の算出方法および支払い方法などを互いに確認してください。

5. 引っ越し

契約して鍵を受け取ったら引っ越しを進めます。

日本と違い内見時に部屋がそこそこ綺麗な状態であれば扉の鍵交換や部屋の消毒・清掃などの次の入居者を迎えるための準備期間はなく、すぐに住み始めることができます。

“台湾(台北)”で一人暮らしをする時に確認しておきたいポイント

台北の建物

近所に飲食店が沢山あるか?

日本だったら食費を節約するためには健康バランスも考えて自炊が良いでしょう。それ故に近くにスーパーがある場所を優先して住まいを決める方も多いと思います。

ただ台湾、特に台北は一人暮らし用の部屋にキッチン設備はほぼ確実にないと考えて良いので、そういった部屋に住む場合は当然自炊が難しくなります。

そこで一人で暮らす事や効率など諸々考えると、近くに飲食店が沢山あった方が節約もできて偏った食生活になる可能性も下げることができます。

バス停、Youbikeステーションが近くにあるか?

日本の都心などに住む場合は、「駅近」が重要視される条件だと思います。確かに台北などでもMRT駅の近くに住んだ方が便利なのは確かですが、駅近は家賃が跳ね上がるケースも多く、バス停やYouBikeステーションが近くにある方が便利なケースもあります。

僕が台北で最初に住んでいた家を例に挙げると、家からMRT駅まで徒歩10分、そこからMRTに15分乗ってようやく台北駅に到着する立地でしたが、バスに関しては最寄りバス停まで徒歩1分、そのバス停からバスに乗ればたった10分で台北駅に到着する立地でした。

もちろん毎日通う学校や会社などの場所によって熟慮する必要はありますが、徒歩5分以内のMRT駅にこだわるより、徒歩1,2分の位置にバス停やYoubikeがある方が遥かに有用なこともあります

家賃には何が含まれるのか?

日本で部屋を借りる時は家賃は家賃として独立していて、その他の費用は別で支払う必要があるケースがほとんどですが、台湾では下記の費用が家賃に含まれている場合があります。

  • 電費(電気代)
  • 水費(水道代)
  • 瓦斯費(ガス代)
  • 網路(インターネット代)
  • 第四台(ケーブルテレビ代)
  • 管理費(管理費)
  • 清潔費(ゴミ処理代、共用部の清掃代など)

電気代は使用量に応じて別途徴収になっていることが多いのですが、上に挙げたその他費用は家賃に含まれていることが多いです。台湾で部屋を探す際は何が家賃に含まれるかよく見ておくと毎月の固定費を節約することができます。

備え付けの家具・家電・設備は何があるのか?

台湾の賃貸用の一人暮らし部屋は、日本のレオパレスの賃貸と同じで、下記のような生活に必要な家具・家電・設備が一通り揃っていることが多いです。

  • 電視(テレビ)
  • 洗衣機(洗濯機)
  • 冰箱(冷蔵庫)
  • 網路(インターネット)
  • 熱水機(給湯器)
  • 冷氣機(エアコン)
  • 桌子(机)
  • 椅子(椅子)
  • 茶几(ローテーブル)
  • 床(ベッド)
  • 衣櫃(クローゼット)

例えば留学生の方などは自宅で勉強することも多いと思うので机と椅子は必須でしょう。調べ物や息抜きにインターネット設備も必要ですね。591等のサイトではこれらの家具・家電・設備があるかを条件検索することもできます。

もしどうしても住みたい部屋に自分が必要だと思う家具が欠けているのなら、契約時に交渉して大家さんに買い足してもらうことも可能です。この辺は日本より融通が効くので一言伺ってみましょう。

ウォーターサーバー

この他に部屋や共有スペースにあると嬉しいのは飲水機(ウォーターサーバー)です。一応台湾では浄水されていない水道水は飲まない方が良いとされているので、心配な人は飲用水を全て購入することになります。

飲用水を購入すると家計にどのくらい影響するのか僕を例に紹介すると、僕は台湾のスーパーで売られている1本15元(約67円)くらいの1.5〜2リットル入りペットボトルを1日1本飲むので、水代だけでも15元x30日で毎月最低450元(約2,025円)かかっています。

飲用水を含め、自宅で料理をする人などは無料で使用できるウォーターサーバーがあれば家計の強い味方になるでしょう。

日本の賃貸(一人暮らし用の部屋)探しと異なる点・諦めなければいけない点

上に挙げたような台湾に住む時ならではの注目したい点がある一方で、日本では当たり前のことが台湾では当たり前ではないこともあります。

僕の周りの台北に住んでいる一人暮らしの日本人は、住宅手当がある方や経済的に余裕のある方を除き、月10,000元(約45,000円)前後の家賃の部屋を借りている方が多いです。

僕も日本という環境に慣れた日本人が違和感なく台湾(台北)に移住するためには、月10,000元前後の部屋を借りるのは妥当だと思います。

ただし月10,000元前後の家賃で借りれる部屋はあくまで最低限です。日本で重視される下記の条件を満たす部屋はほとんど望めません。ある程度は割り切ってください。

  • キッチン付き
  • 独立バス・トイレ
  • 洗濯機パン設備(自分専用の洗濯機がないこともある)
  • 通風良し(窓がない部屋もある)
  • 採光良し
  • 南向きバルコニー
  • 壁の厚さ・防音性
  • 独立インターホン(そもそもインターホンがなかったり、1フロアに1つだけ設置されたインターホンを同じフロアに住む住人で共有する場合もある)

ただし月に20,000元(約90,000円)以上出すことができれば台北でも上記条件を満たす部屋がちらほら見つかります。ちなみに台北以外の地域ならば月1万元代の家賃でも結構良い部屋が見つかったりします。

中国語が話せず台湾人の友人がいない日本人でも台湾の部屋を借りることはできるのか?

模型

時々「中国語が話せません。台湾人の知人・友人もいません。日本人でも台湾の部屋を借りることはできますか?」という質問を頂くことがあるのですが、僕の率直な回答は「できると言えばできる。できないと言えばできない。」です。

少しくらい言葉が通じなくても何となるというポジティブな考えを持ち、台湾にどうしても住みたいという気持ちが強ければ、部屋探しだろうが台湾人の恋人とのお付き合いだろうが何とでもなるでしょう。

もし、住む場所が確実に決まる未来が確定していないと不安でどうしようもないと感じる場合は、日系の不動産の仲介会社を利用して部屋を借りたり、国際宿舎や日本人オーナーの運営するシェアハウス等に住むのが良いと思います。

保証人を求められる場合がある

大家さんによっては部屋を契約する際に、(台湾在住の)保証人を求められることがあるので、今までスムーズに事が運んでいたのに保証人不在という一点だけで苦労が台無しになる可能性もあります。

中には保証人がいなくても契約に応じてくれる大家さんもいますが、それも運次第なので結局のところはじめから保証人になってくれる台湾人の友人と一緒に部屋を探すに越したことはないということになります。

最後に

以上、台湾で一人暮らし用の部屋を探す方法と契約までの流れ、注意点でした。

外国人として海外に住む以上、身分や言語の違いによって発生するであろう問題は、家探しだけではなく住み始めた後も色々な場面で付いて回ります。

海外で新しく生活を始めるのは大変ですが、それらを面倒なことだと考えずにその国及び海外で生きる力の礎になると捉えて、楽しみながら取り組めるのがベストだと思います。

※1元=4.5円で計算(2022年10月2日現在)

ナカジマチカ

ナカジマチカ / nakazimachica

神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作のフリーランスとして生活中。

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