台湾での生活も長くなりまして、現在在台4年目のナカジマチカ(@nakazimachica)です。
さて、いくら日本と街のつくりや文化が似ていると言われている台湾でも実際に生活してみると日本とは異なる点が次から次へと出てくるので、長く現地で生活をしていると気づかない内にその違いに適応してしまうこともあります。
今回は僕を例にして、台湾生活を続け日本で暮らしていた時から変化した(してしまった)点を挙げてみたいと思います。どうぞご覧ください。
台湾生活で変わった10の生活スタイル
01.日常会話の言語は中国語(台湾華語)に
これは当たり前の事ですが、僕が住んでいる台北は日本と景色なども似ているので、日本から台湾に来て間もない頃は、朝起きて現地の人と会話するまで台湾にいることを忘れたりすることがありました。
しかし、いくら台湾と日本が物理的な距離も近く文化的にも近しいモノを持っていると言っても、台湾は日本ではなくあくまでも外国なので、台湾華語、中文、國語などと呼ばれている言語を中心に、様々な土着言語が使われています。
たまに「台湾は親日だから英語より日本語が通じる!」とかいう根拠の無い情報を見かけることもありますが、はっきり言って台湾は日本語が通じる国ではありません。片言でも身振り手振りしながら伝えれば嫌な顔をせず対応してくれるコミュニケーション上手な人が多い国なのです。
02.食事はほぼ外食
たまにお弁当やパンを買ってきて家で食べることも含め、台湾で生活を始めてから食事はほぼ100%外食で、自分で料理をすることは一切ありません。台湾の一般的な一人暮らし用の部屋にはキッチンがないので仕方ないと言えば仕方ありませんが。
幸い台湾は安くてそこそこ美味しい飲食店がそこら中にありお金さえあれば飢え死ぬ可能性は0です。たまに風邪を引くことはありますが大きな健康被害は今のところありません。臭豆腐も美味しく頂けるようになりました。(写真の臭豆腐はほんとに美味しいよ)
03.飲料水は購入
台湾は一応蛇口から水道水は直接飲まない方が良いとされているので、浄水器やウォーターサーバーがない我が家では飲料水は全てスーパーなどで購入するようになりました。
04.洗濯物を乾かす時はコインランドリーを利用
台湾の街を歩いていて思うのは、日本のように晴れた日に洗濯物をお日様の下でカラッカラッになるまで干すという習慣がなく、屋根のある風通しの良い日陰で乾くまで干すのが普通のようです。おそらくこれは雨が多く多湿な環境であることも関係してるでしょう。
また、暑い国なので南向きの物件もあまり人気がなく、南向きで太陽光が降り注ぐバルコニーがある賃貸には滅多にお目にかかれません。洗濯物を干すバルコニー的なスペースがあれば良い方。あとは屋上に洗濯物を干す共同スペースがあったりします。
一応我が家にも洗濯機の横に洗濯物を干せるスペースがあり(北向き且つ目の前には建物!)、ハンガーも掛けられるようになっていますが、この環境では生乾きになって悪臭を周りに振りまいてしまう可能性が高いので怖くて干せません。
さらには後にも書きますが、台湾は空気があまり綺麗ではないので、粉塵等が衣類に付着することを考えると屋外の屋上で外干しするという選択肢も気が進みません。
こういった要因などもあり衣類は7日〜10日に一度まとめ洗いしてコインランドリーの乾燥機で乾燥させてます。もちろんお金はかかりますが月に200元くらいなので割り切っています。
05.浴室・トイレの掃除の仕方
台湾の一般的な1人暮らし用の賃貸なら浴室とトイレは大体一緒になっていて、シャワーヘッドが備えつけられている位置もなんとも中途半端なことが多く、日本のユニットバスのようなシャワーカーテン的な仕切りも存在しない部屋も多いので、シャワーを浴びた後はもれなく便器もビショビショになります。
体を洗った直後に催したらどうすれば…と一度は思いますが最近は気にしなくなりました。体を洗いながら生まれたままの姿で致しましょう。気持ちいいですよ。一人暮らしなら誰かの気分を害することはないので全く問題ありません。
日本人の感覚からするとデメリットしか感じませんが、この構造をポジティブに捉えれば体を洗うついでに全てを掃除できるので、水回りを常に清潔な状態で保つことができます。左手にシャワーヘッド、右手にデッキブラシを持って、体を洗いながらトイレ掃除をするのが上手になりました。
06.空気が悪い日はマスクをつけて外出
実際に生活してみて実感しましたが台湾の空気は想像以上に汚れています。雨が降れば白系の壁や床は真っ黒な水滴の跡でいっぱいになり、酷い日なんかは10分外を歩けば必ず喉が痛くなります。かつて住んでいた東京の空気が美味しいと思えるほどです。
台湾に住み始めからは大気の状態をよく確認して外出する際はマスクなどを装着して外に出るようにしています。
07.適当な格好で外出できるように
冬は寒いのでそうはいきませんが夏はひどいもんです。寝癖のついた頭のままTシャツ・短パン・サンダルの台湾人黄金3セットで、朝ご飯やブランチを求めそのまま外へ出ることに抵抗がなくなりました。
日本ではコンビニひとつ行くにしても少し身だしなみに気を使わないと人目が気になったりしますが、台湾は道行く人がどんな格好をしていようが気にする人はほとんどいません。日本人が他人の視線を気にしすぎだとも言えますね。
周りを見渡してみても台湾人(特に男性)は、度を超えたゆるゆるファッションでコンビニはおろか百貨店まで行ってしまいます。こういった緩い環境の影響を受けて僕も身だしなみの適当さにどんどん磨きをかけています。(駄目)
08.歩行時は信号無視が当たり前に
語弊がある書き方かもしれませんがこれには理由があります。台湾って「あれ、今このタイミングで信号が赤っておかしくね?」って思う信号機が結構あるんですよね。
あと結構交通量の多い交差点の信号機でも壊れたまま何日間も放置されているようなことがあるので、道路を渡る時は信号機の色で判断するのではなく、交通状況などをよく見て自分で判断するのが自然と染みつきました。また中南部には多いのですがそもそも歩行者用の信号がない道路もあります。
日本へたまに帰った時、交通量が少ない道路の3m程しかない横断歩道でもほぼ100%の人が信号を遵守してから渡るので、その光景に違和感を覚えるようになってしまいました。
09.声とリアクションが大きめに
台湾は日本と比べて賑やかな場所が多く、お腹からしっかり声を出さないと相手の耳に届かないことがあります。
また、自分の声が届かなかった時に言われてしまう「はっ?(あっ?)」で無駄に傷つかないようにするためにもハッキリと喋った方が良いです。(中国語は日本の「えっ?」あたる言葉が「はっ?(あっ?)」なのですが喧嘩を売られているわけではありません。)
またリアクションについても、中国語での語彙の少なさを補うためにジェスチャーを活用するため自然と大げさになっていきます。もっとも元々感情の変化が表に出ないねと言われがちな自分だったので、これでようやく人並み位になれたのかもしれません。
10.分からないことはすぐ質問
日本人だと分からない話題や単語を誰かが話していても、場の空気に合わせて分かったフリをしてしまったり、もしくはせざるを得ないような場面があるかと思いますが、台湾ではそういった気遣いは必要ありません。
そういった文化もあり僕自身が常に中国語を勉強中なので無理に分かったフリをするメリットは99%ありません。むしろ分かったフリをする方が相手を不快にさせたりするので、分からないことは解決できるまでしっかり聞くようになりました。
また台湾で初めて入る飲食店などではオーダー方法などが不明確なことがあり、店員さんと会話したり質問したりしてようやく分かるみたいなことも多いです。
最後に
台湾での生活に慣れてきたところで改めて自分を客観視し日本で生活していた頃から変わった点を挙げてみました。良い面・悪い面どちらも変化があります。
海外で生活していると視野が広がるとか、生活スタイルが変化するなどは当然ありますが、自分の内面的にも変化が生じるように感じています。
例えば、学校に行けばクラスメイトや先生、街へご飯を買いに行けばお店の人、というように日本で生活していた頃より確実に人と密なコミュニケーションを取る時間が長くなりましたし、“人間としての本来の営み”とも言えることを行う時間も増えたことにより、心なしか社交スキルも上がった気がします。
これから台湾で生活をしてみようと思っている方は、以上のことを参考程度に胸に留めておいてくださると幸いです。
ナカジマチカ / nakazimachica
神奈川県出身。日本で会社員として約7年間働いた後に独立し、中国語を学ぶための台湾語学留学を経てそのまま台湾移住。現在は台中市を拠点にWebコンテンツ制作の個人事業主として生活中。